「リアルファーはもう時代遅れ」エコファーバッグが示すラグジュアリーの新基準
10月も半ばを過ぎ、フワフワと柔らかくて温かな毛皮のアイテムをコーディネートに取り入れたい季節になりました。でも、動物の毛皮を使ったファッションを身に纏うことに抵抗感を覚えて、なかなか手が伸びない方も多いのではないでしょうか。しかし、時代はさらに次のステップへと移り変わりつつあることを象徴するニュースが先日報じられました。
もはやリアルファーはステータスにならない
2017年10月11日(現地時間)、イタリアの高級ブランド、グッチの社長兼最高経営責任者(CEO)マルコ・ビッザーリはイギリスのロンドンにあるロンドン・カレッジ・オブ・ファッションでの講演で、グッチがFur Free Alliance(FFA)に加盟したことを発表しました。また、2017年9月に発表した2018年春夏コレクション以降、あらゆる動物の毛皮をブランドの製品に使わないことも明らかにしています。
アニマルフリーファッションを推進するイタリアの動物愛護団体LAVのマネージャーシモーネ・パヴェシは「グッチの決断はファッションの未来を大きく変えるでしょう。ファッションは、よりエシカルになり、動物由来の毛皮の流通が過去の時代の出来事になっていくはずです」とコメントしています。
講演に先立ちマルコ・ビッザーリは、「皆さんは、毛皮を身に纏うことがいまだにモダンなことだと思いますか? 私はそうは思いません。毛皮を着ることは、ちょっと時代遅れだと思いますね」と語りました。市場動向を見ても、すでに若い購買層の多くはリアルファーよりもエコファーと呼ばれるフェイクファーを選択するようになっています。日本でも有名女性タレントがInstagramに毛皮のコートの写真を投稿したことでネット炎上が起きたように、消費者の毛皮に対する抵抗感はますます強くなっているようです。
そのような消費者の変化を受け、これまでもアルマーニ グループやヒューゴ ボス、トミー ヒルフィガー、カルバン クライン、ステラ マッカートニーなど多くのラグジュアリーブランドがファーを製品に使わないことを宣言してきました。流通業界にも変化があり、多くのラグジュアリーブランドを扱うファッションECサイトYOOXを運営するYOOX NET-A-PORTER GROUPは、2017年6月から動物の毛皮を使用した商品の販売を停止しています。
今やラグジュアリーの価値基準は、希少性から、その製品が持つ製造工程もふくめたストーリーへとシフトしていると言えるでしょう。
罪悪感がエシカルを牽引する時代は終わった
このような変化の背景のひとつに、エコファーの製造技術の進歩があります。リアルファーと変わらない質感のエコファーがあるのなら、わざわざ動物を殺す必要はないはずです。
FUMIKODA 2017 AUTUMN & WINTER COLLECTIONの「Smart-Fur(スマートファー)」シリーズでは、美しい艶と毛並み、滑らかな肌触りを持ち、耐久性にも優れたア日本製のエコファーを使用しています。シグネチャーバッグのARIANNAとクラッチバッグのTALAはフラップに、小型のトートバッグGINAⅡにはボディの片面にファーを施しました。クラッチ用のチェーンストラップLISA Smart-Furも発売しています。
TALA Smart-Fur: クラッチバッグ(WH_WHFR)
ARIANNA Smart-Fur: ショルダーバッグ (BR_BRFR)
GINA II Smart-Fur: トートバッグ (WH_WHFR)
FUMIKODAのお仕事バッグで使用するエコファーの素材は、海外有名ブランド等にも使われている国内の素材メーカー岡田織物のコアブリッドファーを採用しています。この素材の特徴は、リアルファーに近い上質な質感だけではありません。直径1000分の1ほどの繊維の芯に特殊なセラミックを入れることで、太陽光に当たると発熱し、その発熱物質がコロナ放電をすることで冬場の静電気を抑制してくれるのです。
私たちが倫理的な理由や罪悪感によってファーの使用を抑制される時代は終わりつつあります。テクノロジーの進歩によって、これからはファッションのために動物を殺さざるを得ない状況から解放され、より能動的かつ快適にファー素材を楽しむことができるのです。