海洋プラスチック問題への取り組み 〜クラウドファンディングによる支援のご報告〜

画期的なケミカルリサイクル技術で注目を集める日本環境設計と、FUMIKODAのコラボレーションで生まれたサスティナブルTシャツ「CHRIS」。海洋環境汚染問題解決の一助になることを目的に実施したクラウドファンディングは、おかげさまで目標額を達成し、支援金の一部をNPO法人湘南クリーンエイドフォーラムへ寄付させていただきました。ご支援いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。

今回は支援のご報告と共に、FUMIKODAの海洋プラスチック問題への取り組みについてご紹介いたします。

「プラごみ問題」とCHRISの関係

資源を無駄にしないこと。環境に配慮すること。
FUMIKODAにとって自然を守り豊かにすることは、創業時から最も大切にしている活動の基盤であり、お客様に提供するすべての製品とサービスに通底するコンセプトです。
最近では、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」の達成に向けたアクションとして、生産工程で発生する余り生地を活用した「アップサイクルコレクション」の企画や、お客様の不要になったバッグを回収して学生に寄贈する「リユースプロジェクト」などを実践しております。

はぎれを使用したアップサイクルコレクションのアイテム


FUMIKODAの新たな挑戦となった「CHRIS」の誕生背景にも、海洋プラスチックごみ問題(注1)に寄与したいという想いがありました。
※(注1)海洋プラスチックごみとは、陸上で排出され河川などに流れ込み、最終的に海にたどり着き漂うプラスチックやマイクロプラスチックのこと。

「地球にも人にもやさしい未来を共に創るTシャツ」をコンセプトに開発したCHRIS。廃材(古着)を利用した再生ポリエステルを原料としており、循環型社会の実現を目指しリサイクル事業を展開する日本環境設計が開発した新時代のサスティナブル素材です。

サスティナブルTシャツ「CHRIS」


ポリエステルといってもコットンに匹敵する柔らかく滑らかな肌触りで、機能性に富んだ逸材ですが、その真骨頂は「何度でもリサイクルが可能」な素材であること。「服から服を作る」サーキュラー・エコノミーを実現するブランド「BRING™」のサプライチェーンで生産されたBRING Material™です。

私たちは日々の生活の中で、無意識のうちにマイクロプラスチックを排出しています。衣類や日用品から知らぬ間に流出しているマイクロプラスチックが、海洋汚染の原因となっていることをご存知の方も多いかと思います。

そういった海への環境負荷を少しでも減らすため、CHRISの再生ポリエステルにはマイクロファイバーが抜けにくい加工が施されています。

実はFUMIKODAがクラウドファンディングというスタイルを選んだのは、海洋プラスチックごみ問題の解決に少しでも貢献できないかと考えてのこと。「支援金の一部を、プラごみを回収しリサイクルするための活動に充てる」ことを公約に掲げました。

未来の海の美化を目指す、
クリーンアップ活動

寄付先である「湘南クリーンエイドフォーラム」は、海の美化をはじめとする環境保全活動に取り込むNPO法人。ごみを拾うだけでは根本的な解決にならない現実を踏まえ、きれいな海を次世代に引き継ぐという視点から、ごみを種類別に集計して実態を分析する「調べるビーチクリーン」などアグレッシブな活動を繰り広げています。FUMIKODAからの寄付金もその活動の一部として使われます。


クリーンアップ後の集合写真


CHRISのクラウドファンディング実施期間中には、湘南クリーンエイドフォーラムが日頃からクリーンアップを行っている茅ヶ崎の海岸において、日本環境設計主催のクリーンアップ活動「Bring Ocean」が開催されました。

Bring Oceanは、

①海洋プラスチックごみを回収する
②リサイクルする
③衣類などの製品を作る
④着る・使う

というサイクルを循環させる仕組みを構築し、海洋環境の保全に貢献しようという活動です。
ゴミ問題をボランティアや社会活動としてではなく、企業の経営活動の中に組み込んでいます。良品計画やパタゴニア日本支社、スターバックスコーヒージャパンなど、このモデルに賛同し活動に参加する日本法人も少しずつ増えているそうです。

この日の活動には、チームFUMIKODAの有志のメンバーも参加させていただきました。もちろん全員がCHRISを着用。9月のまだ暑い時期でしたが、サラッとして通気性に優れた「CHRIS」のおかげで、気持ちよく作業することができました。

拾ったゴミを種類ごとに集計している様子

FUMIKODAのほか活動に参加している企業のSDGs担当の方々も沢山参加され、一緒にビーチのごみを拾いながらそれぞれの会社の取り組みについてお聞きすることもできて、自然環境問題について知識と理解を深める機会を得て大変有意義な一日となりました(当日の様子はこちら)。

循環型社会の実現に向けて

日本環境設計のブランドBRING™とのコラボレーションで生まれた「CHRIS」。BRING™は2020年度のグッドデザイン賞「グッドデザイン金賞」も受賞し、さらに注目を集めています。
古着を回収しリサイクルして再生するという「繰り返し使う」ビジネスモデルは、FUMIKODAの「もったいない精神」にも通ずるもの。この再生のサイクルも含めて、「CHRIS」というアイテムだと思っています。

FUMIKODAのお客様にもリサイクル活動にご参加いただけるよう、ショップにBRING™の回収ボックスを設置しました。ぜひご覧ください。

CHRISはこちら

<編集後記>
クリーンアップ活動に参加して

エディターの白井です。この度初めてビーチクリーンの活動に参加しましました。
会場の茅ヶ崎海岸は一見とても綺麗な海で、最初は拾うゴミなんてないのではないかと思っていましたが、海岸をよく見ると、小さなマイクロプラスチックが海のあちこちに落ちていました。

マイクロプラスチックは私たちの身近なアイテムに使用されていることが多いそうです。もしかすると海岸で拾っているこのかけらも、自分の家から海へと流出してここへたどり着いたのかもしれない… と想像しながら拾い集めました。

ビーチクリーンに参加していたのは、企業の中で普段取り組りくまれているSDGsへの理解をより深めるために参加している方々ばかりだったので、皆様との交流は刺激になっただけでなく、同じ思いを持った新しい仲間との出会いはとても嬉しかったです。

ビーチクリーン活動への参加は私にとって貴重な経験となり、持続可能な社会を実現するための働きかけにより一層取り組んでいきたいと思いました。

不定期で開催されるようですので、ご興味があればぜひ参加してみてくださいね。