FUMIKODAと再生紙と森林と ~循環型の社会を目指して~

こんにちは。
FUMIKODAショップアドバイザーの大木彬乃(おおきあきの)です。

先日、家族で尾瀬に行く機会がありました。
綺麗に整備された木道を歩く途中、その木道の端に「FSC」の文字があるのに気が付きました。

この資材は森を傷つけていないという、証の文字。FUMIKODAのオフィスで見かけたことのある文字です。
そう、お客様に商品をお渡しする際に使われる、ショッパー(紙袋)に記されていたのでした。

改めて見ると、そこには「再生紙」や、「ベジタブルインク」の表示も…

今回は「森林を守るための、FUMIKODAの選択」をご紹介します。

現代文明における紙の役割

人類は文明の発展の中で、多くの発明をしてきました。

文字、織物、火、貨幣…。
「紙」もまた、最も原初的で、最も偉大な発明の内の一つでしょう。

情報伝達の媒体としての紙が無ければ後に続く全ての文明の発展もなかったといえるでしょうし、今となっては衛生用品や、包装紙、半導体に至るまで、私たちの生活にはあらゆる場面で紙が登場しています。

企業活動についても同様です。どんなにITが進歩しても全く紙なしで情報を管理することはあり得ないし、ものを扱えば、その運搬には段ボールなど何かしらの容器が必要です。


一方で、紙の生産には木材が使われているのも一般によく知られた事実です。

二酸化炭素を固定し、土中に水分を蓄え、生物の多様性を育む森林は、貴重な資源であり後世まで守っていかなければなりません。

環境を守るために、近年提唱されているのが、「持続的な森林経営」と呼ばれる考え方です。

森林生態系の健全性を維持し、その活力を利用して、人類の多様なニーズに永続的に対応できるような森林の取り扱いを行おうという考え方で、適度な伐採や更新が必要とされます。

現代社会において、紙も含め木材の需要は膨大です。
「適度な」伐採で森林を維持するためには、切り出された木材を、循環させながら余すところなく使い切ることが重要になります。

紙の優れたところの一つに、「木材の原形を止めていない天然繊維を原材料とする」ということがあります。
つまり、間伐材や低質材、端材を原材料とすることができるために、木材の余剰を生みません。そして、一度紙となった製品も再び繊維に戻すことが比較的容易であり、リサイクルに大変適した素材なのです。

IT産業の活発化した現代においては、紙の需要が以前よりも減ったと言われています。しかし、時代は脱プラスチックを目指して動いています。

紙の需要は今後、逆に増加すると思います。「持続的な森林経営」のためには、紙のリサイクルを徹底することが必要になるでしょう。

FUMIKODAの取り組み

FUMIKOⅮAでは、過剰包装を戒め、ペーパーレスを進めると同時に、使わざるを得ない紙資源については出来る限り再生紙を利用するように努めています。

FUMIKODAで使われる紙資材の例

ショッパー(紙袋)

再生紙

30%

FSC認証資材

70%

印刷

ベジタブルインク

段ボール

再生段ボール

100%

名刺

古紙パルプ

40%以上

バガスパルプ

10%以上

コピー用紙

再生紙

古紙配合率100%

 

※FSC認証:
環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林からの製品を目に見える形で消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する仕組み。認証は自主的なものであり、認定された独立した第三者認証機関による審査の後、規格を満たしたと判断された場合に発行される。

※バガスパルプ:
サトウキビの搾りかす(バガス)を活用して製造されたパルプ。 バガスは製糖工場で砂糖を搾った後に発生する農業副産物で、限りある森林資源の持続可能な利用を図る上で 貴重なバイオマス資源。

また、印刷物の裏紙をメモ用紙として使うなど、身近なリサイクルにも取り組んでおります。

個人的なことですが、私は山好きな両親の影響で、子供の頃から山歩きをしてきました。
人が足を踏み入れることで荒れる森林、あるいは人の手が入らないことで荒れる森林を見ました。

森林が限りある資源として人間に消費されつくすのか、循環型の資源として人間に寄り添うのか、全ては人間の努力に懸かっていると思います。

残念ながら、世界でも日本でも森林は今も減少し続けており、人間の努力は十分とは言えません。

その中にあって、企業として、人として。
何ができるのか、考え続け、動き続ける。どんなに小さなことでも。
それが、地球上に生を受けたもののミッションだと思います。