投資する価値のあるジャケットなら、ジョルジオ アルマーニ:スタイリスト河井真奈が提案するアップグレードファッションvol.03
ジャケットをお勧めするなら、私は迷わず「ジョルジオ アルマーニ」と答えます。 その理由は、機能的でありながら優雅であるという、創業者でありデザイナーのジョルジオ・アルマーニの培ってきた人生哲学が詰まったジャケットだからです。
アルマーニは紳士服のデザイナーから出発し、1970年代から紳士服の機能性と女性らしい雰囲気を兼ね備えた女性向けのパンツスーツを生み出しました。まだ、女性の社会進出が今ほど進んでいない時代のことでした。それ以降、「女性の社会進出を、素晴らしいジャケットをつくることにより応援したい」という思いのもと、40年以上にわたりジャケットを作り続けているのです。
あるインタビューで受けた「ジャケットをデザインする際、どのような女性像をイメージするか」という質問に対し、「あらゆる女性を想像しています。ただ、ひとつ気をつけているのは、着る人の個性を奪ってしまうようなデザインにしないことです。洋服は、着る人自身を際立たせるものであり、洋服自体が主役になってはいけないのだということを常に意識しています」 と語っていたのが印象的でした。
アルマーニの目は、鏡に映し出されるだけの表層的な美ではなく、人物の内側から滲み出る魅力を見つめているのです。 そしてその言葉の通り、一見シンプルなジャケットは、袖を通すと着心地がよく、体にフィットして美しく見えます。色も柄もシックなのに、スタイルに合わせて吟味された上質な生地が品格を与えます。マニッシュなジャケットスタイルさえも、なぜかセクシーな女らしさを感じさせるのです。
クリーンなシルエットで軽快なスタイルを提案し続けること。 それは、教養のある寛大な女性へのオマージュと言えます。 今回、ご紹介するジャケットはここ数シーズン人気のモデルです。 程よく肩パットが入っていることで、着用した際に美しいショルダーラインを描きます。 ショルダーラインを補正することにより、顔が小さく見え、首を華奢に見せてくれる効果があります。
また、ボタンの合わせがやや下に配置されているので、インナーの見える分量が多くなります。そのため、中に合わせるアイテムによって大きく印象が変わるのでシーンに合わせてコーディネートを楽しめます。さらに、アクセサリーを変えることで個性をプラスすることもできます。 仕事をするうえで、ジャケットは戦友のようなもの。 上質だから長く着れて、心地がよく、知的に美しく見せてくれる。 まさに投資に値するジャケットと言えるでしょう。
ジャケット¥230,000(税抜き)ジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン
問い合わせ:03-6274-7070
撮影/松谷靖之、スタイリスト/河井真奈
スタイリスト 河井 真奈(かわい・まな)
青山学院女子短期大学卒業後、映画会社に入社の後、フリーランスのスタイリストとなる。1991年、ビジネス・コンサルタントの夫と共に株式会社インターラクトを設立。同社取締役に就任。90年代は『Oggi』、『Domani』、『FRau』等、20~30代のOL向け女性誌の創刊に携わる。『25ans』、『ミス家庭画報』、『マリ・クレール』他11誌のレギュラーを持ち、日本で一番多忙なスタイリストと称される。2000年代以降は、『Grazia』を中心に『家庭画報』『婦人画報』『CREA Traveller』等、大人のラグジュアリー層向けの仕事に専念。百貨店やセレクトショップの顧客向けアドバイザー、ファッショングッズの商品デザイン、トークショー、女優のスタイリングなど様々な分野で活動する。2016年8月、ギフトに特化したサイト「futo」をローンチ。2017年よりジュピターショップチャンネル内にてMana Kawaiブランドの商品を販売。 仕事をする上でのポリシーは「その時代に必要なものは何か?」「その時代が求めているものは何か?」を考えること。 一般の人でもわかりやすいようにトレンドを噛み砕いて紹介できるように心がけ、直に今の気分を伝えられる仕事が中心になっている。著書は『絶対 美人アイテム100』(文藝春秋/2011年)、『服を整理すれば、部屋の8割は片付く』(立東舎/2016年)
公式ブログ:スタイリスト河井真奈のお気に入り
Instagram:kawaimana78
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