ウェルビーイングのための一冊|ポーラ代表取締役社長 及川美紀氏

様々な分野でご活躍されている方に、幸せを感じ充実した人生を歩むためのヒントとなる書籍をご紹介いただく企画。第1回目は、今年1月にポーラの代表取締役社長に就任された及川美紀さんに「ウェルビーイングのための一冊」をご紹介いただきました。

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50(山口周)

こんにちは、株式会社ポーラ代表取締役社長の及川美紀です。

この度「ウェルビーイング」をテーマに本の紹介を、というお題をいただいて、紹介したい本が沢山ありすぎることに気づきました。どうしよう、絞れない…。

幸せ×環境、幸せ×自分、幸せ×他人、幸せ×社会、幸せ×AI。様々な選択肢が浮かんでは消え、そこに数日を費やしてしまいました。でもこうして自分が読んできた本の意味を振り返るのはとてもいい機会です。フミさんに感謝。

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50
著者:山口周 出版社:KADOKAWA(2018/5/18)

というわけで、悩みに悩んで選んだ一冊がこちらの山口周さんの著書「武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50」。理由は、ここで最初に書いた"課題の解決"(どうしよう、絞れない→解決)につながる本だからです。

ウェルビーイングとは、人が自分や他人、社会や自然や文化などをそれぞれ尊重しながら、ありたい姿で生きていくことだと思います。でも周囲と能動的にかかわっていくと、必ず壁に当たります。そんな時、人は考えます。「どうあるべきか、どうしたいのか」。

つまり、思考の力がウェルビーイングを育むのだと思い至りました。その思考のヒントを与えてくれるのが「哲学」。すごく頭の良い先人たちが一生懸命考えてくれたことを拝借できるなんて、すごくラッキー!これぞウェルビーイングの極意ではないかと思います。
ふとした時に読んでほしい一冊。気づきが満載です。

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幸田フミも、読んでみた。ウェルビーイングのための一冊 FUMIKODA

こんにちは、幸田フミです。私もさっそく及川さんおすすめの本、「武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50」「」を読んでみました。

ウェルビーイングと耳にして、ふと頭に思い浮かぶイメージは、誰しもなんとなく似通っているような気がします。
けれどもウェルビーイングに生きるためのアプローチは人によって千差万別。自分らしさを大切にしながら、充実した人生を歩まれている方とお会いすると、つい頭の中をのぞき見してみたくなります。

及川さんは新卒でポーラに入社され、女性として初めて社長に就任された方です。自己実現はもとより、社員の幸せや組織の発展のために努めながら、どんなことを支えにウェルビーイングにたどり着かれたのだろう?
とても興味深かったので、おすすめの本を紹介していただきました。

本書には、身近に起こる問題と対峙した時に、様々な哲学者が人生をかけて考え抜いたアイデアを応用して思考の幅を広げ、より良い答えを導き出す方法を、ビジネスパーソンである山口氏の視点でわかりやすく紹介されています。

たとえば、アリストテレスが提唱した「ロゴス・エトス・パトス」。誰かを説得する時には、論理(ロゴス)はもちろん大切だけれども、正論を聞いただけでは人は動かされない。相手の心を動かすには倫理的な視点にそった共感(エトス)や、熱いパッション(パトス)も必要だと語っています。

なるほど。「自分は正しい」という確信のもと、できるだけ冷静に力説したにも関わらず、相手の心に響かなくて悩んだことがありました。私に足りなかったのはエトスとパトス、共感してもらえるようなアプローチと情熱だったのか…

アリストテレスにもらったヒントはコミュニケーションをはかる時にはもちろん、様々な角度から考え抜いて生み出したFUMIKODAの製品を知っていただく時にも心しておきたいと思いました。

教養というイメージが強い哲学ですが、日々の生活でちょっとした悩みや疑問を抱いたときに役に立つアイデアの宝庫だったのですね。

目の前の状況を洞察し、たくさんの選択肢があることに気がつく力を身につける。まさにウェルビーイングにつながる一冊でした。

及川美紀さんプロフィール

1991年、東京女子大学卒業後、ポーラ化粧品本舗(現ポーラ)入社。販売会社に出向し、美容スタッフ・ショップの経営をサポートする埼玉エリアマネージャー、商品企画部長を歴任。2012年に商品企画・宣伝担当の執行役員、2014年に商品企画・宣伝・美容研究・デザイン研究担当の取締役就任。2020年1月から代表取締役社長に。