そのパールの使い方、OK? それともNG?
華やかなパーティーやお祝いの集いの装いで活躍するパールのアクセサリー、みなさまもネックレスやイヤリング、ピアスなどをお持ちかと思いますけれど、もしかして、その使い方がNGかも?
欧米では昼と夜でパールを使い分けるのが常識
女性誌などで、パールをアクセサリーと称していることがあります。ですが、パールはグレードにかかわらず、本来ダイヤやルビー、サファイアなどと同じジュエリー(宝飾品)です。これは意外と知らていていないように思えます。
ヨーロッパの王侯貴族に愛用され、その後一般の女性も身に着けるようなったジュエリーには、ジュエリーマナーが存在します。日本では、まだ一般的に知られていませんが、パールも昼にふさわしい物と、夜のシーンにふさわしい物とで大きな違いがあることをご存知でしょうか?
こういう話をすると「怖い!」と思われてしまいそうですけれど、それは決して難しいことではありません。 たくさんの宝石を持たなくても、パールの使い方ひとつを知っていれば、世界中で誰に会っても恥ずかしくありませんし、レストランやホテルでも良いサービスを受けられるのですから、日本女性のみなさんには、もっとパールのオシャレを楽しんでいただきたいと思っています。
そのために知っていて欲しいのが、パールにはフォーマルに適したHighグレードと、タウンやカジュアル、オフィスシーンに合わせるLowグレードがあるということです。その上で、キャリアを重ねるみなさまには中途半端に安価なものを数多く持つよりも、大人の女性が素敵にオシャレに見え、日常からスマートカジュアルのドレスコードまで使える、Lowグレードのパールを持つことをおすすめしています。
Highグレード(上)とLawグレード(下)のネックレス。
パールの粒によってこんなに雰囲気が変わります。
昼の装いは小粒でさりげないパールを
たとえば、昼の装いではLowグレードのネックレスを使用して、イヤリングやピアスなど顔回りのアイテムで使用するのは3~5ミリくらいの小粒でさり気ない物を選びます。一方で、オペラをはじめとする観劇やディナー、パーティーなどの夜のシーンでは、大粒のHighグレードのネックレスに、8ミリ以上の大粒のイリヤリングやピアスで華やかさを演出します。
左から右にかけてHighグレード〜Lawグレードのパールピアス
華やかな大粒パールを昼間に使うのはNG
大粒パールの周囲を華やかなメレダイヤで施されたイヤリングやリングは、夜のシーンを彩る物なので、たとえラグジュアリーなレストランでも、ランチでの使用は控えた方が賢明です。
たとえば、海外の旅の思い出に行ったレストランで、気持ちの良いテラス席や眺めが良い席が空いているのに、店の隅の方の席へ通されたりしてガッカリ…という話があります。これは、欧米の一流レストランやカフェではサービススタッフが一瞬でお客様を見極めてお席に案内しているからです。
意外と知られていないことのひとつですが、良いお店ほど、後からいらっしゃるお客様にお店がどう映るかを考えてお席に案内しています。ドレスコードがあるレストランなどでは、身だしなみのひとつとして女性のジュエリー(アクセサリー)遣いも見られています。
小さなアイテムのパールのピアスやイヤリングは、あまり考えずに身に着けてしまいがちですが、顔の近くにあるジュエリーは、思った以上に存在感があります。
小粒のパールはコーディネートの強い味方
宝飾業界に30年余り携わる私自身が、それまで知ることのなかった、パールのグレードによる活用を知ったのは20年近く前。滞在先のドイツやフランス、イタリアでのできごとでした。
たまたま立ち寄ったお店の女性オーナーのロングパールのコーディネーションが素敵だったので、自分もパールネックレスを身に着けていることも忘れて「マダム、素敵なコーディネートですね!」と思わず声を掛けました。すると、彼女はすかさず、「あなたのパールの方がグレードが上だわ!」と言ったのです。驚いて、改めて彼女のロングネックレスを見ると、確かに日本では市場に出ないほどのLowグレードでした。けれどLowグレードだからこそ、日常の装いにとてもフィットして素敵だったのです。
また同じ年に、パリで通勤中の女性のファッションリサーチに出かけたところ、「素敵!」「オシャレ!」と感じる女性たちの多くが、小粒のパールピアスの装いをしていました。普段着のセーターに高品質の“よそいきパール”を身に着けると、そこだけが浮いてしまいます。ところが、カジュアルな普段着や通勤スタイルに普段着パールを身に着けると、トータルな装いとして素敵に溶け込むのです。
昼用の40センチ~50センチの普通丈のネックレスと、3~5ミリくらいのイヤリングやピアスがあれば、夜の正礼装を必要とするシーン以外はOK。そして、余裕がある時に花珠といわれるグレードの8ミリアップのネックレスと、10ミリアップのイヤリングやピアスがあれば、生涯、宝石に悩むことなくオシャレを楽しめます。
パールは、どのタイプの骨格スタイルやパーソナルカラーでも、誰でも素敵にコーディネートできるジュエリーです。今年はパールのアップグレードの装いにチャレンジしてはいかがでしょう?
パールアクセサリーに似合うコレクション
TALA
パーティーやレセプションでは欠かせないクラッチバッグ。本体とカバーを組み合わせてお使いいただける「TALA」は、パーティードレスやスーツにはもちろん、着物とも相性の良いシルエットに仕上げました。
TALAのページはこちら
HELEN
「HELEN」は斜めがけにして、クロスボディバッグとしてお使いいただける他、ストラップを引っ張ればショルダーバッグとして活躍します。
HELENのページはこちら
VELA
「大量のカードやスマホ、通帳、パスポートなども収納でき、汚れや濡れに強い耐久性がありながら、上質なクラッチのような存在感のあるラウンドファスナー財布です。
VELAのページはこちら
FUMIKODA全ラインナップはこちら
三浦みどり
Midori Miura
東京都出身。アパレルブランドからジュエリー業界へ転身。1996年勤務先宝飾メーカーでジュエリー&カラーコーディネーター専門職に就く。同年、米国Allweys in Style 認定イメージコンサルタント取得。2001年より、ヒコ・みづのジュリーカレッジ非常勤講師(ジュエリーコーディネート)。2002年、個人事務所設立。パーソナルアドバイザーとして活動。2015年、(株)マニフィック設立、代表。1980年代後半より継続的にヨーロッパをリサーチ。