第一話 FUMIKODAを立ち上げた理由(前編)
FUMIKODAは、素材の仕入れから縫製先の工房開拓まですべてにおいてゼロからスタートした事業です。
ITサービス会社の代表だったクリエイティブディレクターの幸田フミが、なぜ畑違いの領域に踏み出したのか。本記事では、その理由をお伝えしたいと思います。
10年探しても、出会えなかった“バディ”
控えめに見積もっても「10年」。これは理想のバッグに出会えず、迷走していた時間です。
仕事であちこち飛び回ることの多い私にとって、ビジネスバッグは常に隣にいる"バディ"のようなもの。フルスロットルで働く自分を助けてくれる存在として、高い期待を寄せていました。
でも、期待が叶うことはありませんでした。
百貨店をくまなく回り、海外サイトを片端からチェックし、仕事仲間に「どんなバッグを使っているの?」と、聞いて歩きました。
いわゆるハイブランドも、一通り持ちました。背伸びをして、高価な物を買ったこともあります。それでも求めている理想には届きませんでした。
むしろ、ハイブランドな物ほど、理想とかけ離れていました。
本革なので重い。見た目重視で使い勝手が悪い。素材や装飾がデリケートで扱いに気を遣う。
自分を助けてくれる"バディ"だとは、到底思えませんでした。
バッグに合わせる日々に、もう限界
当時、子育て真っただ中のシングルマザーでした。子どもを保育園に送り届けてから仕事に直行という朝には、おむつや着替えの入った袋を抱えた上に、重いブランドバッグを肩にかけ……。
もう、朝からぐったり、うんざりしていました。
「仕事を頑張って手に入れた高価なバッグは、自分へのご褒美」そう自分に言い聞かせても、日に日に溜まっていくストレス。
商談や打ち合わせ、夜には会食と、ジャンルの異なる予定が目白押しの1日。全TPOに違和感のない服装、髪型、メイクのトータルコーディネートを考えて、最後の仕上げに、本革のハイブランドバッグ。
いざ出発!と、玄関ドアを開けたら、突然の大雨!
「このバッグ、濡れたらシミになってしまう! 雨でも使えて今日のコーディネートに合うバッグは、どれ!? ....ない!!」
こんなふうに、バッグに振り回される日々。本当に私の"バディ"になってくれるバッグは見つかりませんでした。
探し抜いて、試し尽くして、疲れ果て、結論が出ました。
「世の中には、理想のバッグは存在しないんだ」
それならば……「自分で作ろう」と決めました。
自分のためのバッグ作りに、夢を膨らませたけれど
当初は「ブランドを立ち上げたい」という気持ちは全く無く、あくまでも自分が使う物をオーダーメイドするだけのつもりでした。
軽くて頑丈で、雨の日も気にせずに使えて、物を出し入れしやすいように、ポケットやファスナーの位置や数も工夫して、持つだけで背筋が伸びるような、エレガントなデザインで……
夢は膨らみ、ワクワクは高まるばかり。
ところが、素材を選ぶべく情報集めを始めた矢先、とってもショッキングな事実を知ってしまったのです――
(第二話に続きます)
















































