生成AIが拓く女性のキャリア戦略の考え方:FUMIKODA SALON レポート

2026年7月28日、一般社団法人Women AI Initiative Japanの代表理事として、企業向けの生成AIコンサルティングや女性のAIリスキリングを牽引されている國本知里氏をお迎えし、「FUMIKODA SALON」を開催いたしました。

慌ただしい日々の中で、「AIをもっと仕事の味方にできたら」と感じていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。本レポートでは、AIを日々の頼もしい「パートナー」として迎え入れるためのヒントをお届けいたします。

AIは「使う」ものから、「頼れるパートナー」へ

生成AIがビジネスの現場に浸透しつつある今、私たちの関心は「AIとは何か」から、「いかに優秀なパートナーとして日常の業務に組み込むか」へと移行しています。

サロンの中で國本氏が強く訴えられていたのは、「現場の当事者こそが、AIを駆使して革新を起こせる」という視点でした。
プログラミングの専門知識を持たずとも、自らの業務課題に合わせてAIを自在に活用できる時代。ライフステージの変化によって働き方に悩むことが多い女性にとっても、AIは時間や場所に縛られない柔軟なキャリアを力強く後押ししてくれる存在となっています。

「時間戦略」がAI活用の鍵

では、具体的に何から始めればよいのでしょうか。
第一歩として推奨されていたのが、「一週間の業務の棚卸し」です。

日々のルーティンや事務作業をAIに委ねることで、業務にかかる時間は大幅に短縮されます。 しかしながら、単に効率化して時間を生み出すだけでは意味がありません。

空いた時間を、本来ご自身が注力すべき「どの仕事」にあてるのか。あらかじめこの「時間戦略」を描いておくことこそが、真の生産性向上につながるのだと國本氏は語ります。

「指示力」を磨けば、AIの答えは変わる

また、AIを使ってみて「期待した答えが返ってこない」と感じる場面があるかもしれませんが、それはAIの性能ではなく、私たちの「指示力」に委ねられているというお話も印象的でした。

役割や行動方針、制約条件などを具体的に伝えるシステムプロンプトを設定するだけで、AIの回答精度は見違えるほど上がり、不正確な情報も防ぐことができます。

相手に背景や意図を正確に言語化して伝える力は、AIへの指示出しに限らず、これからのキャリアを築いていく上でも欠かせない普遍的なビジネススキルと言えるのではないでしょうか。

情報収集は「仕組み化」して時間を生み出す

より実践的な活用法として、SlackなどのコミュニケーションツールとAIを連携させ、競合や自社に関するニュースを毎日自動で収集し、配信する仕組みも紹介されました。

一度設定を整えてしまえば、自ら検索する手間が省けるだけでなく、思いがけない情報との出会いももたらしてくれる優秀なアシスタントとなります。
こうした仕組みをチームで共有すれば、誰もが同じ質の情報にアクセスでき、組織全体の底上げにもつながります。

新しい挑戦を支える「3つのキョウ」

サロンの終盤、未知の領域へ踏み出す際の心の持ち方として國本氏が挙げられた「3つのキョウ」のお話も興味深い内容でした。

3キョウの一つは、失敗を恐れずに最初の一歩を踏み出す「度胸」。
次に、AIの導き出した答えを鵜呑みにせず、自分の頭でしっかりと見極めるための「教養」。
そして、分からないことは素直に「分かりません」と周囲に助けを求められる「愛嬌」です。

テクノロジーがどれほど進化しようとも、最後はこうした人間らしい素直な姿勢が、新しい道を切り拓く原動力になる。
そのことを改めて教えられた、大変充実したひとときでした。

貴重なお話をお聞かせくださった國本知里氏に、心より感謝申し上げます。

FUMIKODAはこれからも、第一線で活躍されるビジネスパーソンの皆様に向けて、日々の仕事やライフスタイルのヒントとなる情報をお届けしてまいります。


國本知里氏のプロフィール

シンシアリー株式会社 代表取締役 / 一般社団法人Women AI Initiative Japan 代表理事。

早稲田大学大学院卒業後、SAPやAI企業での事業開発を経て起業し、2022年にシンシアリーを創業。企業向け生成AIコンサルティングや人材育成を通じ、AI時代の働き方変革を牽引している。

経済産業省や文部科学省の委員などを歴任し、Forbes JAPAN「Women In Tech 30」にも選出。生成AIを「すべての女性が自分らしく生きるための味方」と捉え、女性のAIリスキリング推進を通じて、自律的で豊かなキャリア形成の支援に尽力している。