どれだけ知性のある雰囲気を演出できるかが、大人の着こなしのカギとなる:河井真奈氏 CLUB FUMIKODAイベントレポート
本格的な春から初夏へ。陽射しがキラキラと美しい季節は、服選びも楽しい時季です。とはいえ、ファッションを楽しむだけでなく、知性や女性らしさをプラスした“自分らしい”着こなしを心がけたいのがキャリア女性。
2019年4月18日、FUMIKODAショールームにて開催したFUMIKODA SALONでは、ファッション誌や人気女優のスタイリングなどで幅広く活躍するファッションスタイリストの河井真奈さんをお招きして、キャリア女性がより洗練された印象を与えるための服選びや色使いについてご紹介いただきました。
大人が陥りがちな「ジャケット難民」になってない?
キャリア女性が上手に着こなしたいアイテムの筆頭といえば「ジャケット」ではないでしょうか。しかし、河井さんのもとへ寄せられるのは「自分に似合う一着が探せない」という女性たちのお悩み。
「プライベートではすごくおしゃれなのに、ジャケット姿は『仕事だから』と無難になってしまっている女性が多いですよね。それではもったいないと思うんです。ファッション感度が高く、経験値の多い女性ほど陥りがちなのが“ジャケット難民”。ジャケットのあり方や自分に似合うものを見直して、『私はこれを着ていればどこへでも出られる』という一着を愛をもって着こなしてほしいですね」(河井さん)
そこで教えていただいたのが、知的さと品の良さを感じさせつつ、着る人に寄り添うジャケット選びのポイント。カギは「シルエット・素材・抜け感」にあるそうです。
●ジャケット選びのポイント1:自分にあう「シルエット」とは
どんなにお気に入りのジャケットでも、自分の体型にあっていなければ素敵に見えるはずはありません。かといって、どんなに体型にあっていてもわきまえるべきはTPO。スタイルの良さを強調するボディコンシャスな服も、度を過ぎれば仕事着としてはNGです。
「ジャケットというとテーラードのデザインを思い浮かべますが、襟の幅や太さもデザインによって異なりますし、キリっとしたテーラードよりも優しい雰囲気のノーカラーのジャケットのほうが似合う人もいます。自分に似合うのはどんなシルエットなのか、どんなデザインなのか、あらためて見直してみるといいですね」(河井さん)
●ジャケット選びのポイント2:表情のある「素材」を選ぶ
自分に似合うシルエットやデザインがわかったら、次に気にかけたいのが「素材感」です。
「デイリーに着まわせるベーシックなジャケットでも、素材に表情があると雰囲気はずいぶんおしゃれになります」と河井さん。春夏ならコットンやリネンも素敵ですし、光沢のある素材も涼やか。秋冬にはミラノリブやツイードなどのあたたかみのある素材もいいですね。
●ジャケット選びのポイント3:「抜け感」で大人の余裕を演出
パンツスーツにきちんとした靴にバッグ。もちろんそれも素敵なのですが、それでは少しかたい印象になりますし、何を着ても同じ雰囲気になりかねません。
「そこで取り入れたいのが“抜け感”です。ちょっとした余裕や隙という感じで、きちんとした女性こそバランスの良い抜け感を意識するといいのではないでしょうか」(河井さん)
簡単に抜け感を出すテクニックとして河井さんが教えてくれたのが、「首・手首・足首」のうち2つを見せること。ジャケットの着こなしで考えれば、ジャケットの袖を少しまくって手首を見せたり、シャツのボタンを上までかけずに胸元を少し開けてみたり。
パンツスーツでも、シルエットの美しいタイトなパンツに華奢なヒールのパンプスをあわせて足首の美しさを強調するなど、ちょっとした工夫で抜け感は演出できそうですね。
トレンドを知ると、ファッションがラクになる
キャリア女性の中には「もうトレンドは追わなくても、自分のスタイルはわかっている」という人も多いかもしれません。しかし、「トレンドを知ると、着こなしがすごく上手になるし、服選びがラクになる」と河井さんは語ります。
「トレンドを知りたいからといって、雑誌やネットでパリコレの情報を集めたりする必要はありません。銀座や青山へ行くことがあったら、数軒でいいからショーウインドウを真剣に見るだけでいろんなことが学べます。ショーウィンドウはそのブランドの顔だから、シーズンのトレンドやブランドのメッセージが集約されているんです」(河井さん)
「今年は大ぶりなアクセサリーが多いな、パンツはワイドが素敵。アスレチックヒールが流行ってるんだな」とショーウィンドウからいろんなことを学び取れば、ファッションがどんどん楽しくなるに違いありません。自分だけではなく、周りの人のファッションにも興味が持てて、ビジネスシーンでの会話も弾みそうですね。
ちなみに今シーズンのトレンドカラーはオレンジ、グリーン、淡いピンクやブルーに代表される「ペールトーン」。河井さんが注目するのはピンクがかったラベンダーです。さらに”柄物“もトレンドで、ドット、ストライプ、花柄のアイテムが人気です。
出典:https://www.pantone.jp/color-intelligence/articles/colors/color-trend-highlights
この日、河井さんが着用されていたのは同じくトレンドを取り入れたドット柄のグリーンのブラウス(MIKAKO NAKAMURA)とブラックのパンツ(M-fil)。ノーカラーのジャケットとボウタイのブラウスの組み合わせはつい甘くなってしまいがちですが、さりげなくトレンドを取り入れてマニッシュなテイストをプラス。今っぽさと知性と大人の余裕を感じさせる、まさにお手本のようなスタイリングです。
「ビジネスシーンでは、目が行くのは相手のバストアップです。ジャケットはもちろん、インナーやアクセサリー選びにもこだわってどれだけ知性のある雰囲気を演出できるかが、大人の着こなしのカギとなるのではないでしょうか」(河井さん)
河井さんも愛用。キャリア女性におすすめのブランドは?
ファッション業界でも洗練された審美眼を持つことで知られる河井
M-fil(エムフィル)
南青山にサロンを持つMIKAKO NAKAMURA(ミカコナカムラ)のカジュアルラインで価格も手ごろ。デザインは中村三加子氏が自ら手がけているので、どのアイテムにもMIKAKO NAKAMURAのフィロソフィーを感じ取ることができる。
support surface(サポートサーフェス)
イタリアでトラサルディなどのデザインを手がけた研壁宣男氏が1999年に立ち上げた自身のレーベルで、動きのあるスタイルが私の好みにマッチ。ベーシックなジャケットスタイルでも、このブランドのインナーを入れるだけですごく新しい印象になる。
AKIKO OGAWA(アキコ オガワ)
2001年の設立以来、仕事を持つ大人の女性にための服作りを続ける小川彰子さんのブランドで、マスキュリンなフォルムとカッティングに女性らしさを融合させたスタイルが特徴。シンプルだけどひねりがあって大好き。
参考:FUMIKODA JOURNAL
BLANC IRIS(ブランイリス)
長くジュエリー業界に携わった荒木弘美さんが2012年にパリで立ち上げたブランド。遊び心やモード感もあって、主役にも脇役にもなりうる、芯のある女性をジュエリーで表現したというイメージ。アクセサリーをつける意味を感じさせるアイテムばかり。
FUMIKODA(フミコダ)
どのアイテムも、一見まじめそうだけど実は遊び心とこだわりが散りばめられていて、私がスタイリングをするときに目指すイメージと共通する。世の中はこれだけものにあふれているのに、持ちたいバッグになかなか出会えない。その「欲しい」をすべて叶えてくれる。
主催の幸田フミからもFUMIKODAのご紹介をさせていただきました
シャンパーニュ「Duval-Leroy」ディストリビューターのアイコニックワイン社から古川さんからシャンパーニュの説明をしていただきました
リストランテ・カシーナ・カナミッラのお料理
最後まで残ってくださった参加者の皆様と記念撮影
スタイリスト 河井 真奈(かわい・まな)
青山学院女子短期大学卒業後、映画会社を経てフリーランスのスタイリストとなる。数々の女性誌の創刊に携わり、『25ans』『ミス家庭画報』『マリ・クレール』など11誌のレギュラーを持つほどの人気ぶりで、「日本で一番多忙なスタイリスト」と称されたことも。2000年代以降は、『Grazia』を中心に『家庭画報』『婦人画報』『CREA Traveller』といったラグジュアリー層向けの仕事に専念。女優のスタイリングやパーソナルスタイリングなども手掛けている。2016年8月、ギフトに特化したサイト「futo」をローンチし、2019年6月4日には東京・南青山に「Gift Concierge futo 南青山ショップ」をオープン。ギフトスタイリストとして活躍の幅を広げる。著書「絶対 美人アイテム100」(文藝春秋)『服を整理すれば、部屋の8割は片付く』(立東舎)ほか。
公式ブログ:スタイリスト河井真奈のお気に入り
Instagram:kawaimana78
futo – ふと思う人へ。ギフトの贈り方が見つかるwebサイト
Instagram:futoofficial
【6月4日オープン】
Gift Concierge futo 南青山ショップ
〒107-0062 東京都港区南青山5-13-4Nビル1階A
TEL:03-6427-5113
定休日:日、月曜日