今期待されている女性社外取締役のリアル:株式会社SDGインパクトジャパン 代表取締役 小木曽麻里氏 ✕ 株式会社WOMAN COLLEGE 代表取締役 黒田佳奈子氏 FUMIKODA SALONレポート

FUMIKODAでは月に1度、ビジネスパーソンとして活躍されていらっしゃるさまざまな女性の皆様にお集まりいただき、情報交換ができる場としてFUMIKODA SALONを開催しています。

今回は、初めての試みとなりますが、株式会社WOMAN COLLEGE 代表取締役 黒田佳奈子さんと共同主催で、日本のビジネス界を牽引されている女性社外取締役の皆さまにお集まりいただきました。

☆☆☆

(司会:幸田フミ) 日本のどの企業を見ても、社外役員や取締役の女性比率はまだまだ低いのが現状です。男性の中で女性が一人という場も多く、周囲を見ても、社外取締役をやっているという女性の方に出会える機会は少ないのではないでしょうか。だからこそ、初めて社外取締役を任されることになったという方だけでなく、すでに社外取締役としてキャリアを積まれている方々も、「ほんとうにこれでいいのだろうか」「ほかの人はどうしているのだろう」と不安に思うこと、疑問に思う場面も多くあると思います。

本日のサロンでは、株式会社WOMAN COLLEGEの代表でありミヨシ油脂の社外取締役も務める黒田佳奈子さんが聞き手となり、株式会社SDGインパクトジャパンの代表取締役、三菱商事取締役、テルモ株式会社取締役、明治ホールディングスのサステナビリティー・アドバイザリーボードメンバー、ならびにSMBC日興証券CIO のアドバイザリーボードメンバーなど、名だたる企業の社外役員等を兼任されていらっしゃる小木曽麻里さんにインタビューしていただこうと思います。

社外取締役のリアル

黒田佳奈子(以下、黒田) 今回お集まりいただいた皆様は、私も含めてですがご自身でも会社を経営しながら複数の企業の社外役員や取締役を兼任されていらっしゃいます。多様で多面的な活動をされている中で、時間の管理をどのようにしているのか、どのように配分してそれぞれの役割を果たされているのかなど、“リアル”な部分をうかがいたいと思います。

最初に小木曽さんのこれまでのキャリアを振り返らせていただきますと、日本長期信用銀行から世界銀行に移られ、その後笹川平和財団で国内初のジェンダー投資ファンドを設立、ダルバーグを経てファーストリテイリンググループでダイバーシティ担当部長および人権委員会事務局長を歴任され、2021年に満を持してインパクト投資を行うSDGインパクトジャパンを立ち上げられました。
独立されたあとすぐに三菱商事の社外監査役に関する依頼があったということですが、引き受けられたときはどのようなお気持ちだったのでしょうか。

小木曽麻里(以下、小木曽) 三菱商事のお話は、人材紹介会社経由で連絡をいただいたものでした。ですから、最初は「日本の商社」ということ以外の会社の情報は知らされず、会社規模が大きいか小さいかもわからないまま業務内容だけをうかがっていました。その中で、私はソーシャルセクターや外資といった職場が多かったので、いわゆる“ジャパニーズトラディショナルカンパニー”の意思決定がどのようなものか興味があって、「前向きに検討したい」と申し出たのです。
伝統的な日本の企業だからなのかもしれませんが、社名をうかがって実際に社外取締役に就任するまでには、面接が5回ほどあったと思います。

黒田 2,3回というのは聞きますが、多くの面接を重ねられたのですね。

小木曽 面接では、私の人となりや考え方などについて、細かいところまで質問されたので、「今回は落ちたかな」と毎回思うような面接だったのですが、不思議と次の連絡をいただきました。でも、そのプロセスがあったからこそ、就任後に先方のニーズと相違を感じることはあまりなかったと思います。

急増する女性の社外取締役

黒田 小木曽さんと同じように、人材紹介会社から声がかかるという経験をされていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。特にここ数年、プライム市場に上場している企業の女性役員は、これまでにないスピードで増えていますね。
急速に女性社外取締役が増えている現状については、どのようにお感じになられていますか。

小木曽 まず一番に思うのは「すごくいいことだな」ということですね。ただ、全然足りていないとも感じています。
上場企業の女性役員の比率に関しては、2023年の6月に政府決定された「女性版骨太の方針2023」で、まずは日本を代表するプライム市場上場企業の女性役員比率について2030年までに30%以上とするという目標を掲げています。それにはまだまだ全然足りていませんよね。

黒田 2023年時点でプライム上場企業の女性役員比率は13.4%と言われていますよね。前年に比べ2%上昇したとはいえ、目標の半分にも到達していないのが現状ですね。

小木曽 そうなんですよ。とはいえ、これから女性の役員はもっと増えていくと思いますし、それは日本企業にとっても、女性にとってもいいことだと思っています。

黒田 「女性の比率を上げる”数合わせ”のためだけに採用されるのではないか」と言われることもありますが、それについてはどうお考えですか。

小木曽 最初は数合わせと言われても、女性比率を増やすことは重要だと思っています。なぜなら女性いることで確実に多様性は確保されることが多いからです。
そして、女性が役員となり経験を積んでいくことで「女性役員がいる」ということが当たり前の社会となっていけばいいと思うからです。
多くの日本企業にとって、最初は女性役員を増やしていくことはとても難しいことです。社内のパイプラインは育っていないし、外を見ても今はまだ役員になるだけの経験がある女性が世の中にあまりいないということもある。でも、だからといって人がいないから「増やさない」という選択をするのではなく、段階的にでも増やしていく努力をすることが大事だと思っています。

大切なのは「発言すること」

黒田 先日、『あえて異端児的な社外取締役を』というタイトルの小木曽さんのインタビュー記事を拝読しました。社外取締役の場合、必ずしも業界事情に精通しているわけではなく、また他の役員に比べても若い方が就任するケースも増えています。そういった立場からの新しい視点こそが価値であり、取締役会の実効性を高める役割として期待されていますが、現状ですと「女性である」ということも異端の1つと言えるように思います。
小木曽さんが実際に社外役員という役割の中で「女性である」ということを意識する場面はどのくらいあるのでしょうか。

小木曽 取締役会では、「女性だから」、「男性だから」という差はそれほど感じません。
ただ、女性活躍やDE&Iについて話をしてください、と依頼されることはあります。
その時はどうして「男性だけでなく女性の視点を取り入れることが大事なのか」といった講演などをやらせていただくこともあります。

黒田  まだまだ女性役員は圧倒的に少数ですので、次世代へ向けても、私たち女性社外役員だからこそ貢献できることはありますね。

小木曽 はい。また、自分で強く意識してはいませんが、私は女性ですから私の発言には常に「女性の視点」が入っています。無理に意識しなくても、その場にいて発言することで女性の視点は自然と入っていると思うのです。

黒田 忖度や遠慮をせず、自分の意見を発する。当然の役割とはいえ、意識して行動していくことは大切ですね。

小木曽 取締役会では、男性の中に女性が一人という場も多く、女性の私はその場では「異端」です。でも、「異端」と思われても発言することこそ、私がその場にいる意義であり、私に求められていることだと思っています。
とはいえ、何をどのように話すかは難しいですよね。すごく悩みます。

黒田 発言をする際の配慮は本当に大切だと思います。先日、こちらのFUMIKODAさんで社外取締役の自主勉強会をした際にも、取締役会で少し耳の痛い発言をする際にはいわゆる「枕詞」を使う、受け入れていただけるような伝え方の工夫はとても大事だという話をしていました。

小木曽 役員会などでも、意識して聞いてみると、諸先輩方が、そうした枕詞をかなり使用しているなと思いますね。

さまざまな役をこなすために必要なものとは

黒田 日々ご自身の研鑽のために意識されていることや、社外役員として「これをやっておくとよい」「やっておけばよかった」と思われることはありますか。

小木曽 いろいろあるとは思うのですが、実は意外と重要だなと思うのが「体力づくり」です。
社外取締役がどのくらいの頻度で会社に行くのかイメージしてみると、月に1回か2回、週に1回、いろいろとあるかと思います。これは企業によってまったく違うのですが、週に1回といわず、週に何回もうかがう場合もあります。
私がやらせていただいた監査役は、海外や遠隔地にある工場に行く機会も多くあります。
本業があり、ほかにもさまざまな仕事があることを考えると、社外役員や取締役の仕事は「思っていたよりも忙しい」のです。そのため、体力づくりは重要だと思っています。この「忙しさ」はそれぞれの企業でまったく違ってきますから、どのくらいのタイムコミットメントが必要なのか、就任前に聞いておくことも重要だと思います。

黒田 多様な役割を持っているなかで、健康管理や体力づくりは基本中の基本といえるかもしれませんね。ほかにどういったことがありますか。

小木曽 就任前に、その企業のことを出来るだけ調べて課題を頭に入れておくことでしょうか。皆さん、自分の得意な分野や専門分野の場合、知見があるという自負をお持ちだと思います。これは近年はスキルマトリックスという形で表現されますが、実際はそれぞれの企業の規模や事業などによって求められる知見が微妙に違っていることがあります。
例えば私の場合、環境やサスティナビリティに関することについてはある程度知見があるつもりでいますが、業種や事業によってどういったことがリスクになり得るのかは異なってきます。結局は自分の専門分野や知識を深めるしかないのですが、事前にその企業のことをわかれば改めて勉強しておくと良いと思います。

いかに時間を配分するか

黒田 小木曽さんは社外役員のほかにも、日興証券グループなどのアドバイザーもなさっていると聞きました。さまざまな役割を兼任する場合、社外取締役の仕事にどのくらいの時間を割けばいいのかとお悩みの方も多いのではないかと思います。

小木曽 企業に行く頻度やその際どのくらいの時間がかかるのかなどは、役を引き受ける前に聞いておくとある程度のイメージはつくと思います。
ただ、その頻度や時間に関しては、求められていることと実際に費やすべきことに開きがある場合もあります。たとえば、大企業の場合、特に月に1度の訪問だけではわからないことも多いので、一緒にやっている取締役の方の中には、自ら進んでいろいろな現場に出て行ったり、会食などで更なる接点を作っている方も多くいらっしゃいます。
企業から要請される場合もありますが、要は、自分自身がどこまでやりたいのか、ということなのだと思います。取締役ともなれば、たとえ「社外」とはいえ、重い責任が伴います。やはりここに関しては、なるべく時間を割いたほうがいいだろうと感じています。だからこそ、先ほど言ったように「体力が大事」なんです。

黒田 できるだけ時間が割けるよう、セルフマネジメントをしていくのですね。実際のところどのくらいの時間をかけていらっしゃるか、お聞かせいただけますか。

小木曽 それは企業の規模や扱う商材・サービスの広さ、そして自分がそうした分野にどのくらい詳しいのかなどによっても変わってきます。
私が今、社外取締役となっている企業の場合は8部門ほどの部門があってそれぞれ全然違うことをやっています。時間がかかるのが、この8部門全部の方とお会いすることです。
私の場合、1部門ずつ1時間半から3時間ほどの時間をとってじっくりとお話をうかがっています。それぞれの部署の問題や抱えている課題、今後ビジネスとしてどのようになっていくかという細かな部分まで知ろうと思ったら、そのくらいの時間を取らないとなかなかわかりません。時には、もう一度聞かないといけないこともあります。となると、ここに費やす時間はかなり多くなりますよね。
実際、以前と比べて、どの企業も求められる責任や役割は増えていると感じます。その分上手く時間や労力のセルフマネジメントをして、貢献していかないといけないのだろうなと考えています

日本の伝統企業に思うこと

黒田 先ほど、社外取締役を引き受けた理由の一つに、ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニーの経営に関わることへのご興味を挙げていらっしゃいましたが、実際に携わる中でどのようにお感じですか?

小木曽 日本の伝統企業は、長い歴史があるからこそ強みを持っていますが、働き方や男女別の役割など、昭和的な風習も根強いです。ただし、Z世代が多くなったり技術が急激に進化したりして、企業文化も変化しています。このタイミングで社外取締役となることは、企業の変革を間近で見る貴重な体験です。
特にジェンダーの観点で言えば、まだまだ意思決定に女性が少ないのが実情です。理想的には執行役員レベルで女性が増えることですが、現状では社外取締役に外部から女性が就任することが多く、私たちはその立場から変革を推進していく必要があります。多様性や女性の役員への登用については、社長や会長といったトップ層にも「多様性についてはどうお考えですか?」と伺う機会もありました。

黒田 そうした質問は取締役会の場で話されるのですか。

小木曽 そうですね、取締役会の場のこともあれば、その前に行うブリーフィング(事前説明)で話すこともあります。企業によってほんとうにいろいろですね。
日本の場合、ブリーフィングが充実しているとそこで話を尽くしてしまうので、取締役会はさらっと終わるということもあります。逆に、それでは真の議論ができないと、わざとブリーフィングを少なくして「取締役会で忌憚の無い意見を言ってください」という企業もあります。

これは聞いた話ですが、日本では、だいたい1カ月に1度ほど定例の取締役会がある企業が多いと思うのですが、海外の場合、3カ月に1回くらいしか取締役会の議論をしない企業もあって、そのかわり、そこでは8時間〜10時間(!)も議論するそうです。どちらが良い・悪いということはなくて、企業にとって合ったスタイルがあるのではないかと思っています。

黒田 そうした取締役会やブリーフィングのあり方や本音で話ができるかどうかといったことも含めて、実効性に関する議論もされているのだろうと思います。
私の場合ですが、自分が社外取締役をつとめる中で、取締役会の内容にやや課題感を持ちまして、思い切って提案をしたんですね。通称「ぶっちゃけ会」という会を取締役会とは別に開くことになりました。
ブリーフィングを兼ねて、時間をあまりに気にせず本音を話せる場所を設けています。

取締役会での“振る舞い”とは

黒田 社外取締役は、CEOをはじめ経営陣対して遠慮せずに発言することが求められる行動の1つだと思います。
私も最初は「常に退任も辞さない意識をもって発言する」「CEOの顔色は窺わない」というような、やや鎧のようなものをまとって役割に臨もうとしていました。
でもそうではないのですよね。やはりその企業への愛情、歴史を作られてきた役員、社員の皆さまへのリスペクトがあってはじめて、遠慮のない社外の自分の意見が存在するのだと思います。信頼関係のためには、そうしたスタンスが伝わる言動や振る舞いも大切かと思います。
小木曽さんも、日々、経験豊富な方々に囲まれていらっしゃると思います。その中で、意識している“振る舞い”とはどのようなものがあるのでしょうか。

小木曽 そうですね。やはり執行側と社外の取締役の信頼関係構築は非常に重要だと思います。そしてその上での敬意や振る舞いとなると、私も「まだまだ足りないな、できていないな」と思うことばかりです。一緒に取締役をやっていらっしゃる方々の振る舞いをみて、学ばせていただいているところです。
周りの皆さんの話しの持っていき方などを聞いていると、「ああ、そういうふうに言えばいいんだ」「こんなふうに言えば伝わるんだな」と勉強になることが本当にたくさんあります。また、「問いを立てる力」はとても重要だと思います。自分の思うばかり伝えるのではく、正しい問いを投げかけることで相手の本音や考えを引き出して、最終的には自分が伝えたかったことを伝えるようにするのです。

社外取締役の諸先輩がたは、そうした「問いを立てる力」「自分の意見の伝え方」にとても長けていらっしゃるなと思います。ただ、言い方、伝え方といった発言に関するテクニックは大切ですが、伝え方にこだわり出してしまうと、「自分はまだまだだ」と思って、意見を言えなくなってしまうことがあります。ですから、最終的には自分がこれまで何をしてきたのかという経験を信じ、伝え方を気にしすぎずに発言するようにしています。

自分の見せ方を意識

黒田 FUMIKODAのバッグは、私にとって、自分のプレゼンスを高める一つの武器として使わせていただいています。
小木曽さんの過去のインタビュー記事のなかに、『投資家という帽子をかぶると男性も経営者も耳を傾ける』という内容の記事がありました。男女ともに、自分の“見せ方”というのは大事だと思いますが、ご自身の“見せ方”について意識していらっしゃることはありますか。

小木曽 自分をどのようにプロデュースするかということだと思うのですが、実は私はセルフプロデュースが苦手です。ただ、一つ言えることとして、「自分はここが周りの人と違うんだ」と言えるものを持っておくといいのではないかと思います。私の場合、サステナビリティや金融がそれになりますが、周りが男性ばかりの場合は女性である、ということもあるでしょう。

黒田 私も今模索中というところです。最近では、服装をエレガントにしてみたりもしました。
先日、金融機関の社外取締役になられた方とお話ししたときには、「男性の中でしっかり発言するためのいいお衣装というのがあるのよ」と言われました。その方は、自分の意見を聞いてもらうために、服装選びから考えていらっしゃる。私ももっと「見られる立場」として意識していくべきなのだなと感じました。

小木曽 そうですね。取締役会の時は皆さん、ピシッとした格好をなさっています。私は最初、取締役会に出る際には”紺”しか着てはいけないのかと思っていて、ずっと紺色の服を着ていました。でもそんなことはないんだよと教えられ、それからは自分の個性を出しながら、格好良くいられる服装をしようと心がけています。

また、バックなどの小物についても、役員室にはそうしたバッグを置く場所がないことが多く、床にそのまま置いていたら周りの方に気を使われて、椅子を持ってきてくださるようになりました。その点、FUMIKODAのバッグは床に置いてもしっかり立って、ビジネスシーンを想定してつくられていますよね。ですから私は、勝負バッグとして活用しています。

黒田 床に置いてもへたらずにしっかり立ってくれる。そうしたシーンも計算されているのがFUMIKODAのバッグですよね。細かい気配りを商品にきちんと反映してくれるブランドです。

株主総会について

黒田 今5月中旬ですが、6月には株主総会を予定されていてる企業も多いかと思います。株主総会について共有いただける経験談はありますでしょうか。

小木曽 私が社外取締役をやっている企業では、アクティビスト(モノ言う株主)から質問を受けました。近年はESGやサスティナビリティ経営が注目されていますから、「小木曽さん、今年は名指しで質問来るんじゃないの?」と別の取締役の方に言われたりもしました。確かに最近では「社外取締役の方に聞きたい」という質問も増えているので、何気に緊張したりしていますね。

黒田 社外取締役を指名して質問があるという話は、最近よく聞くようになりましたね。総会前の準備、リハーサルなど、社外役員としてどのように関わっていますか。

小木曽 企業によっては予行演習をするところもあります。想定問答が事前に配られるところもあるようです。
いずれにしても、株主も投資家も、社外取締役の意見を本当に真摯に聞いてくださると感じています。

黒田 そうですね。社外取締役の意見をきちんと反映する企業というのは、社会的にも信頼度が増す傾向にあるといいます。もっと社外取締役が意見を言い、それを聞いてもらえる場があるとさらにいいのではないかと感じます。
本日は、小木曽さんをお迎えして、社外取締役として今お考えになられていることなど、女性社外取締役のリアルな日常やお考えをおうかがいしました。
ありがとうございました。

☆☆☆

この後、参加された10名を超える女性社外取締役の方々からの質疑応答があり、ざっくばらんに意見交換がされました。今回のFUMIKODA SALONをきっかけに、ダイバーシティ&インクルージョンをはじめとした様々な社会課題を解決する取り組みの輪が広がればと願っております。

FUMIKODAでは、「すべての人の働くシーンにウェルビーイングを届ける」というミッションを掲げてビジネスパーソンのための情報発信やイベントの開催にも力を入れています。
CLUB FUMIKODA会員様にはFUMIKODA SALONをはじめとした会員限定イベント情報などをお届けします。是非ご登録ください。

 


小木曽麻里(こぎそ まり)氏

株式会社SDGインパクトジャパン
東京大学経済学部卒業後、日本長期信用銀行に7年間勤務。退職後、タフツ大学で修士課程修了。世界銀行資本市場部、世界銀行グループ多国間投資保証機関(MIGA)東京代表を務める。2017年には笹川財団で国内初のジェンダーレンズ投資ファンドを設立。ダルバーグを経て19年、ファーストリテイリンググループのダイバーシティ担当部長および人権委員会事務局長を歴任。
2021年、SDGインパクトジャパンを共同設立。現在、三菱商事取締役、テルモ株式会社取締役、明治ホールディングスサステナビリティー・アドバイザリーボードメンバー、ならびにSMBC日興証券CIO のアドバイザリーボードメンバーを兼任。国際協力機構海外投融資委員会有識者委員、Mashing Up 財団理事。
インパクト投資、社会起業家支援、インクルーシブビジネスの促進など SDG実現のためのビジネス、特にSDG ファイナンスに幅広く携わる。

 黒田佳奈子(くろだ かなこ)氏

株式会社WOMAN COLLEGE
中央大学法学部でコーポレートガバナンスを学ぶ。ベンチャー・リンク、電通コンサルティングにて勤務ののち、30歳で一般社団の民間資格会社を設立し、独立。
2016年からは企業の女性活躍支援に力を入れるため株式会社WOMAN COLLEGEを創業。これまでにのべ4000人との1on1メンタリングを担当し、現場との対話力を強みとしたHR支援を行う。近年は上場企業の社外取締役として、ICGNとの意見交換など、取締役会のダーバーシティ推進活動にも取り組むほか、3度の会社設立経験から、大学でのアントレプレナーシップ担当教授としても活動。
ミヨシ油脂株式会社社外取締役、大正大学招聘教授、神奈川ニュービジネス協議会理事、日本取締役協会女性ワーキンググループリーダーを兼任。


関連記事