循環型社会の実現に向けて 〜100%再生資材を使ったものづくり

エシカルファッションの潮流

オーガニック素材や再生資源を使用して商品を開発したり、ファッションショーでCO2の削減を試してみたり。2015年に国連でSDGs「持続可能な社会を実現するための17のゴール」が掲げられて以来、グッチやフェンディ、クリスチャンディオールなどのハイブランドもサステナビリティを考慮した取り組みに注力しています。

そんな中、日本にも世界中から熱い視線が注がれているエキサイティングな企業があることをご存知でしょうか?
2007年に資本金120万円でリサイクル技術の開発をスタートして以来、名だたる大企業のCEOが直々にその技術を確かめに見学に訪れている、日本環境設計株式会社です。

回収した古着でバイオエタノール燃料を生成し、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場したタイムマシーン"デロリアン"を走らせて、各国のメディアがその感動の一瞬を生中継したイベントを覚えている方もいらっしゃるかもしれません。

今では数多くの企業やNPO、行政を巻き込んで、世界のリサイクル市場に革命を起こしながら、地球上の資源がうまく循環する社会づくりを本気で目指している企業です。

FUMIKODAも日本環境設計の取り組みに深く共感しているブランドのひとつ。サスティナブルな社会を実現させるため、ものづくりチームの一員としてアクションを起こしています。

FUMIKODAの挑戦

FUMIKODAは2016年のブランド立ち上げ当初から、アニマルフリー、スローファッション、リユースなど、サスティナブルなものづくりに取り組んできました。そしていま挑戦しているのは「リサイクル」です。

その第一歩として製作したのが、リサイクル資材を使用したこちらの「ポーチ」のサンプルです。

ポーチ本体とストラップには日本環境設計が製造したリサイクルポリエステル100%の生地を使用、ファスナーはYKK社製の再生PET素材30%を使用した「NATULON」を採用しました。
地球上の資源を再利用したものづくりは、少しずつ実現しつつあります。

これまでのリサイクル技術では、ゴミを回収しても資源として再利用できるのはそのごく一部でした。再資源化率が低く、同じ素材を何度も繰り返し再利用することができなかったため、リサイクルでゴミを削減することは難しいとされていました。

しかし日本環境設計は、回収したすべてのゴミを100%リサイクルできる技術を開発し、一度再利用した素材を何度でもリサイクルさせることを可能にしました。その魔法のような技術に世界中が注目したのです。

「リサイクルしたい人」と
「リサイクルしたい企業」をつなぐ取り組み

ファッション産業は年間9200万トンのごみを排出していると言われています。衣類のために生産されている年間5200万トンのポリエステルを再生させることで、地球上のゴミを減らして環境汚染を食い止められるだけでなく、採掘する石油を削減することもできます。

日本環境設計はリサイクルの技術開発に留まらず、様々な企業と提携し、不要な洋服を店頭で回収してリサイクルするプロジェクトも実施しています。

▲古着の回収からリサイクルまでの仕組み(日本環境設計のホームページより)

そしてFUMIKODAも「リサイクルしたい企業」の一社として、資源の回収に取り組むことになりました。

タイムマシーンはまだ遠い未来の話かもしれませんが、廃棄されようとしていたゴミを燃料にして車を走らせたり、私たちの身の回りのものを作ったりできる時代がすでに訪れています。
あとは私たちがゴミを「ゴミ」として捨ててしまわず、「資源」として再利用することが当たり前になれば、近い将来循環型社会が実現しそうですね。

日本環境設計の岩元美智彦取締役会長と、FUMIKODAの幸田フミ