第七話 未来へつなげたい、日本の手仕事の価値

本記事では、メイド・イン・ジャパンのものづくりへのこだわりをクリエイティブディレクター 幸田フミへのインタビュー形式でお届けします。

Q. メイド・イン・ジャパンのプロダクトに、どんな価値を感じていますか?

プロセスを自分の目で確かめることができるのは大きいですね。職人の方々が一つひとつの製品にどれほど丁寧に、愛情を注いでいるかがわかるので、安心できます。

それに、不良品率がとても低いんです。日本に暮らしていれば「不良品がないのは当たり前」かもしれません。しかし世界水準から見れば、日本製品の精度の高さは日本人が誇れる強みなのです。

Q. 職人さんたちの姿から感じること、学ぶことなどはありますか?

例えば、コミュニケーションの図り方です。昨今、やりとりをメールやオンラインのみで済ませることが普通になりました。でも、職人さんたちは基本的に電話で話しますし、時には直接、手土産を持ってお相手を訪問することも少なくありません。

生の声や息遣いから伝わるニュアンスを大事にしているのでしょうね。コミュニケーションって、本来そういうものだったなぁ…と気づかされます。

Q. 職人さんたちに最高のパフォーマンスを発揮してもらうために、心がけていることはありますか?

バッグを使ってくださっているお客様の声を、なるべく共有するようにしています。「とても使いやすいです」「素敵なバッグで、持つと幸せな気持ちになります」など、お客様からのフィードバックをお伝えすると本当に喜んでくださいます。

また、お客様からのご意見を元に新しい商品の開発をお願いした時には「こんなにやりがいがある仕事は久しぶりだよ。ますます腕が鳴るよ」などと言っていただけて、私も胸が熱くなりました。

Q. 日本的な感性を、デザインにはどのように反映していますか?

意識しているのは、できるだけ足さないミニマルなデザインです。あれもこれもと機能や装飾を乗せ過ぎず、極力シンプルに。持ち続けても飽きの来ない「無駄のない上品さ」や、お客様ご自身のお好みでプラスオンすることもできる「余白」を大切にしています。

私自身が美しいと思う形を追求した結果、自然とそうなったのですが、日本的な美意識に近いかもしれませんね。

Q. メイド・イン・ジャパンのアクセサリーライン売上の一部を、児童養護施設の子どもたちのIT教育に寄付することに決めたのはどのような理由からですか?

社会の中には、支援されるべき人々に支援の手が行き届いていないという現実があります。そういった問題を一人でも多くの方に知っていただき、FUMIKODAのアクセサリーを購入することを通して、間接的に支援の輪に加わっていただきたいと考えたからです。

Q. メイド・イン・ジャパンのものづくりを貫く上で、課題を感じていることはありますか?

業界全体が、後継者不足に悩んでいます。このままでは、私達が長年かけて作り上げてきた日本ならではの美意識や技術が失われかねません。市場がもっと安定し、若い人が「安心して生活できる」「この仕事には未来がある」と希望を抱ける流れにならなければ、状況は打開できないでしょう。

FUMIKODAとしても、今はまだまだ微力ですが、今後、海外も含めて顧客の裾野を広げ、メイド・イン・ジャパン市場拡大の一助になりたいです。

(第八話に続きます)