女性用ビジネスバッグの開発に込めた想い。:FUMITALK
こんにちは、幸田フミです。
FUMIKODAのシグネチャーバッグ「ARIANNA」は、ひと回り小さい「ARIANNA II」とともに主にキャリア女性の皆様にご愛用いただいています。
このバッグを作るためにFUMIKODAを立ち上げた。と言っても過言ではない、私にとって思い入れが深い「ARIANNA」。
その起源についてよく尋ねられるので、ご質問にお答えしました。
Q. ビジネスバッグ「ARIANNA」にどのようなことを求めていましたか?
パソコンやプレゼン資料を抱えてウェブコンサルタントとして飛び回っていた頃、仕事で最高のパフォーマンスを発揮するために、機能面はもちろん心理的にも味方になってくれるバッグを求めていました。
機能面でバッグに求めていたのは、
- 軽くてエレガントであること
- 肩にかけたときにストラップがずり落ちにくいこと
- 床に置くことができて、倒れないこと
- 乱雑に扱っても傷みにくいこと
- 書類やノートパソコンの出し入れがしやすいこと
- 雨の日に持ち歩けること
- 固めの会議でも夜の会食でも、どんなシーンでも迷わずに持てること
- どんな洋服にも合わせやすいエレガントなデザインであること
- コンパクトに見えること
心理的には、
- できるだけ環境に負荷をかけたくない
- ジャパン・クオリティの安心感がほしい
- トレンドに左右されたくない
など。どんなシーンでも躊躇せず、自信をもって持ち歩ける。
そんなバッグにめぐり合うことができなかったので、すべてに妥協することなく設計し、出来上がったのが「ARIANNA」でした。
Q. 「ARIANNA」を作りはじめたきっかけは?
私が「ARIANNA」を作ったのは、ビジネスシーンで常に最高のパフォーマンスを発揮したいと思っていたからです。
随分前の話になりますが、三十歳になる頃突然シングルマザーとして生きていくことになり、生活費を賄うために自宅で起業してウェブ構築の仕事を請け負っていました。
会社を立ち上げた当初は営業も作業も私一人でこなしていましたが、良いスタッフに恵まれて少しずつ会社が成長し、三十代半ばで最初の書籍を出版した頃から仕事の規模がどんどん大きくなっていきました。同時にコンサルティングの仕事が中心になり、プレゼンをしたり企業研修や経営者会で講演させていただいたりと人前に出る機会が急に増えたのです。
自身の成長が仕事の変化のスピードに追いつけない状況の中、周りの信頼を勝ち取りたい、少しでも自信があるように見られたいと必死で背伸びをしていました。
毎日夜中までがむしゃらに働き、経営やプレゼンテーションのノウハウを身につけ、それでも足りないと感じていた自信を補うかのように持ち始めたのが、ハイブランドのバッグでした。
はじめのうちは効果がありました。ハイブランドのバッグを持つことで「仕事ができる人」になれた、ステージが上がったように思えたのです。
高価なバッグほど重かったり、機能よりもデザインが重視されているせいで使いづらかったりしたのですが、打ち合わせが終わるとそのまま会食やレセプションへ向かうことも少なくなかったので、多少使い勝手が悪くても仕方がないと妥協していました。
けれどもその効果は長続きせず、バッグに投資を重ねれば重ねるほど不満を感じるようになってきたのです。
ある朝クライアント先に向かうため、ノートパソコンとプレゼン資料をブランドバッグに詰め込んで、いつものように慌てて玄関を飛び出したところ、急に雷が鳴り大雨が降り始めました。
「あ、やばい。今日はこのバッグ持ち歩けないわ…」
購入してからまだ間もなかったそのバッグは、淡い色のレザーを使っていました。
雨に濡れるとシミになってしまう。その日は夜まで移動が続く予定でした。
急いで部屋に引き返し、バッグの中からその日着ていた洋服に合うものを選ぼうとしました。けれどもノートパソコンや書類がすべて収まり、雨が降りしきる中、会食の予定までこなしてくれそうなバッグが見つかりません。
「これだけバッグを持っているのに、いざという時に持てるものがひとつもないなんて…」
沢山のブランドバッグを前に愕然としました。
その日は仕方なく適当なバッグを選んで出かけたのですが、よく考えてみると私が持っていたブランドバッグは、重すぎたり肩にかけられなかったり、天候やその日のスケジュールによって使えなかったり…、と、本当の意味で私の味方になってくれていなかったのです。
「雨の日も、勝負の日も、安心して持ち歩くことができるビジネスバッグがほしい。」
強い想いで百貨店やセレクトショップ、インターネットで理想のバッグを探し続けたものの、男性用のビジネスバッグはたくさん販売されているのに、女性が使いやすい機能的でエレガントなバッグを見つけることができませんでした。
そしてついに、存在しないなら自分で作ろうと思い立ったのです。
2年をかけて構想を練り、ようやく出来上がったのが「ARIANNA」でした。
Q. どうして「ARIANNA」と名付けたのですか?
理想のビジネスバッグが出来上がったら「ARIANNA」と名付けよう、と心に決めていました。憧れの女性実業家、アリアナ・ハフィントンの名前です。
アリアナ・ハフィントンは、女性であり、ギリシャからの移民というマイノリティの立場でありながら、「大きな政府(一般人による無数の声)なしで、貧困や格差は解決できない」と、リベラル系ニュースサイト「ハフィントン・ポスト」を2005年に立ち上げ、アメリカ国内で最も多くの人に読まれるメディアへと育てた人物です。
より良い社会を創るために新しい価値を生み出しながら、母として、人間としての時間を大切に生きるアリアナ・ハフィントンは、私に「ウェルビーング」というアイデアも与えてくれました。
彼女のような素敵な女性たちにFUMIKODAのバッグを使っていただいて、ビジネスシーンでさらに輝いてもらえたら…。
そんな想いでバッグに「ARIANNA」と名付けました。
いつかご本人に「ARIANNA」を持ってもらうことが、私の夢のひとつです。