河井真奈からのご挨拶:スタイリスト河井真奈が提案するアップグレードファッションvol.01

スタイリストの河井真奈と申します。かれこれ、この仕事を30年近く続けていますが、30年といえば、演歌歌手なら相当のベテラン、職人の世界でも熟練の域に入ります。確かに「大御所の河井さんで」と人に紹介されることもあり、気がつけば長く同じ仕事をしてきたのだなと、我ながら驚くことがあります。

スタイリストというのはその時代の今を伝える仕事で、常に新しいものとのワクワクする出会いがあります。30年もの間、いつもワクワクしながら過ごすことができているのですから、ありがたい仕事に出逢えたものだと感謝しています。

それに最近は、長く続けてきたからこそ情報発信ができる面白そうな企画にお声をかけていただくことが多くなりました。年を取るのは嫌だと思っていましたが、一つひとつ積み重ねていくことがキャリアだとすれば、年齢を重ねることも楽しみのひとつです。

ところで、人はある程度の大人になると自分の好みが確立し、“自分スタイル”が完成されます。それは裏を返せば「私にこれは似合わない」「これは好きではない」と頑固になる人が増えてしまうということでもあります。

若い時なら若さの勢いでどんなものでも着こなせるものです。ですが、以前と比べれば確実に体型も変化して、顔色もくすんできてしまった大人女子は、自分スタイルを誰の意見も聞かず、それだけが自分に似合うと勘違いしたまま押し通そうとする人が多いのです。

いえ、「もしかしたら、もっと似合うものがあるのかも」と気づきながらも、それに気づかないふりをしているのかもしれません。

今回から、FUMIKODA JOURNALで私が長年連れ添ってきたファッションについて連載をさせていただくことになりました。

欲しいものや必要なものがわからない、見つからないという方や、好みがはっきりしていていつも同じものばかり選んでしまう方へ、新しい自分スタイルを完成させるヒントになるようなモノ、コトをご紹介していきます。

ラグジュアリーと利便性を兼ね備えた優秀アイテムや、コーディネートのコツなどを、キャリアを積んだ大人女性の皆さまに発信していけたらと思っています。

モノには、作り手の思いやストーリーがあります。それを知っていただいた上で共感できるモノこそ、本当に自分に似合うモノなのです。たくさんのモノと出会ってきたからこそ、自分にとって心地いいモノ、似合うモノ、日々を豊かにしてくれるモノを選択する目を養うことができるのです。

私はこの連載を通じて、好きなものに囲まれていること、その心地良さこそが、驚くほど心と身体を元気にして上質な生活がおくれること、品質が良い服やアイテムを選ぶ選択こそ、仕事をする上でのプレゼンスをあげ、幸せを引き寄せるパワーがあることをお伝えできればと思っています。どうぞご期待ください。

河井真奈
スタイリスト 河井 真奈(かわい・まな)

青山学院女子短期大学卒業後、映画会社に入社の後、フリーランスのスタイリストとなる。1991年、ビジネス・コンサルタントの夫と共に株式会社インターラクトを設立。同社取締役に就任。90年代は『Oggi』、『Domani』、『FRau』等、20~30代のOL向け女性誌の創刊に携わる。『25ans』、『ミス家庭画報』、『マリ・クレール』他11誌のレギュラーを持ち、日本で一番多忙なスタイリストと称される。2000年代以降は、『Grazia』を中心に『家庭画報』『婦人画報』『CREA Traveller』等、大人のラグジュアリー層向けの仕事に専念。百貨店やセレクトショップの顧客向けアドバイザー、ファッショングッズの商品デザイン、トークショー、女優のスタイリングなど様々な分野で活動する。2016年8月、ギフトに特化したサイト「futo」をローンチ。2017年よりジュピターショップチャンネル内にてMana Kawaiブランドの商品を販売。 仕事をする上でのポリシーは「その時代に必要なものは何か?」「その時代が求めているものは何か?」を考えること。 一般の人でもわかりやすいようにトレンドを噛み砕いて紹介できるように心がけ、直に今の気分を伝えられる仕事が中心になっている。著書は『絶対 美人アイテム100』(文藝春秋/2011年)、『服を整理すれば、部屋の8割は片付く』(立東舎/2016年)

公式ブログ:スタイリスト河井真奈のお気に入り
Instagram:kawaimana78
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