第四話 理想のバッグが形になるまで(後編)
FUMIKODAが大切にしている“エシカル”な価値観について、素材選びにとどまらず廃棄を前提としないものづくりや、バッグを未来へつなぐプロジェクトなど、ブランドの哲学をクリエイティブディレクター 幸田フミへのインタビュー形式でお届けします。
Q. 幸田さんが思う、FUMIKODAの価値基準とは何でしょうか?
突き詰めれば「エシカル」という言葉に集約されると思います。「エシカル」の直訳は「倫理的な」という意味ですが、私は「他者を思いやること」だと解釈しています。
ものづくりの過程で"犠牲を生まない"素材である「人工皮革」を選んだことや、メイド・イン・ジャパンにこだわることで日本の職人仕事を未来に繋げる試みも、そうですね。
Q. 他にも「エシカル」なブランドであるために、取り組んでいることはありますか?
例えば、各種バイオマス素材(植物由来の素材)の人工皮革での製品の開発です。放置竹林の竹や、ジュースの絞りカスのりんごなど、放っておけば廃棄されてしまうものを、バッグや小物に蘇らせています。
また、海洋プラスチックごみとして問題になっている廃漁網(魚を捕獲する網)を再生した高品質ナイロン生地も、積極的に素材として活用しています。
Q. 素材へのこだわりの他には、何かありますか?
「廃棄を前提としたものづくりは、しない」これがFUMIKODAの哲学です。例えば、アパレル業界では当たり前の「春夏・秋冬コレクション」といったシーズン・アイテムはつくらず、季節問わず使えるアイテムだけを厳選して揃えています。
結果として創業以来、商品廃棄ゼロを継続中。また、大量生産もせず、必要とされる分だけを手作業で丁寧につくっています。これにより、素材ロスも最小限に抑えています。
Q. 役目を終えたFUMIKODAのバッグは、どのように活かされていますか?
お客様が大切に使ってくださったバッグ。役目を終えた後も、ごみにはしません。「もう使わないけど、まだ使える」そんな中古バッグをお客様から回収して、希望する学生さんに届ける「リユースプロジェクト」を展開しています。
機能的で美しく、持てば自然と背筋が伸びるFUMIKODAバッグが、未来に向けて学ぶ学生さんの励みになれたら嬉しいです。
Q. 「エシカル」な価値観は、どのような背景から生まれたのですか?
根幹には、両親から受け継いだ価値観があるような気がします。父も母も昭和初期の生まれで、ものを大切にする意識がとても強い人たちでした。
古くなっても最後まで使う。壊れかけたら修繕する。壊れたら形を変えて再利用する。徹底してものを大切にしていました。子どもの頃は、少し反発を感じていたのですが、いまになって振り返ると、とても大切なことを教わっていたなぁ……と思います。
Q. 「エシカル」な価値観でバッグづくりをすることが、世の中にどんな意味をもたらすと思いますか?
人は、大切にしているものの背景を知りたくなるものです。FUMIKODAの想いに共感してバッグを使ってくださっている方は、他者を思いやる気持ちをもってくださっていると思います。
そんな人たちが世の中に一人でも増えていけば、いつか未来は、お互いを思い合う人たちにあふれた、新しい豊かさのある世界になるのではないでしょうか。
世の中の価値観は日々変わっていきます。FUMIKODAも、常に進化し続けなければなりません。
(第五話に続きます)















































