FUMIBLUEの伝統工芸にふれる旅 ②高岡・能作編:FUMITALK
こんにちは。FUMIKODAクリエイティブディレクターの幸田フミです。
前回の「モメンタムファクトリー・Orii編」に続き、ファンクラブ「FUMIBLUE」の旅企画、高岡編の後半をお届けします。

この日向かったのは、錫(すず)の鋳物で知られる「能作」。
全国、そして海外にも多くのファンを持つものづくり企業を、FUMIBLUEの皆さんと一緒に訪ねました。

100年以上続くものづくり企業、「能作」
能作の創業は1916年(大正5年)。元々仏具や茶道具、花器などを手がける鋳物業として歩みはじめました。
転機となったのは1984年、婿養子として入社した現会長・能作克治さんが、一職人として腕を磨いていたある日の出来事です。

工場見学に来ていた親子が「勉強しないと、あんな仕事につくことになるよ」と口にするのを耳にし、深く傷つくと同時に、自分たちの仕事をもっと誇れるものにしたいと決意したそうです。そこから、下請け中心だったビジネスのあり方を見直し、自社プライベートブランドの開発と小売への展開に踏み出しました。

工場に併設された直営店やカフェ、ものづくりの工程を間近で見学できるファクトリーツアーもあり、遠方からわざわざ足を運ぶファンも多いのだそうです。
この日も、平日にもかかわらず館内は多くの来場者でにぎわっていました。

錫の箸置きづくり体験
工場に併設された体験工房では、生型鋳造という手法で錫の箸置きづくりに挑戦しました。
細かな砂を押し固めた型に本物の花や葉を押し当てて、その繊細な形をそのまま写し取ります。そこへ高温で溶かした錫を流し込むと、花びらの脈の一本一本まで写し込んだ、世界に一つだけの箸置きが出来上がります。

錫は抗菌性が高く、酸化しにくいという特性から食器に適した金属なのだそうです。自然の造形をそのまま金属に閉じ込めるというなんとも贅沢な体験に、FUMIBLUEの皆さんも夢中になって型取りをしていました。


五代目社長・能作千春さんによるレクチャー
2023年に代表取締役社長へ就任された能作千春さんからお話をうかがいました。
千春さんは能作家の長女として高岡に生まれ、大学卒業後は神戸のアパレル関連会社で働いていたそうです。
その後、鋳物職人としてものづくりに向き合う父・克治さんの姿に触れ、深く共感したことがきっかけとなり、2011年に家業である能作へ入社。製造や物流の現場、産業観光部門の立ち上げなどを経て、専務取締役、そして五代目社長へと歩みを進めてきました。

印象的だったのは、子育てと経営との両立についてのお話です。工場長を務める旦那様をはじめ、周囲に頼りながら完璧を目指しすぎず自分らしいバランスを探ってきたという言葉に、同じ女性経営者のひとりとして深くうなずかされました。

また、地域の伝統産業を観光資源として発信する「産業観光」や、錫の指輪を交換する「錫婚式」など、地方創生につながる新規事業にも積極的に取り組まれています。
2024年には錫のジュエリーブランドを立ち上げ、テーブルウェアだけでなくアクセサリーの分野にも進出。「錫という素材の可能性を、もっと自由な発想で広げていきたい」と語る千春さんの言葉には、伝統を受け継ぐ者としての覚悟と、新しい挑戦を楽しむしなやかさの両方が感じられました。
今後は海外の展示会への出展も増やしながら、能作という高岡のブランドを世界へさらに広げていきたい。と語ってくださいました。

伝統の技を受け継ぎながら、時代に合わせて形を変え続ける能作の姿勢は、FUMIKODAが目指すものづくりのあり方とも重なるものがあります。
素材と真摯に向き合い、次の世代へと技術をつないでいく。日本のものづくりの原点に触れ、敬意を新たにする旅となりました。

FUMIBLUEの皆さんとともに過ごした二日間はとても濃厚で、かけがえのない時間でした。
次回の「伝統工芸にふれる旅」企画も、今から楽しみです。
















































