FUMIBLUEの伝統工芸にふれる旅 ①高岡・モメンタムファクトリー・Orii編:FUMITALK
こんにちは。FUMIKODAクリエイティブディレクターの幸田フミです。
昨年立ち上がったFUMIKODAファンの皆さまのコミュニティ、「FUMIBLUE」による旅企画がスタートしました。FUMIKODAのものづくりを支えてくださっている産地を実際に訪ね、日本の伝統工芸について深く知っていただこうという企画です。
記念すべき第一弾として向かったのは、富山県高岡市。FUMIKODAが創業以来金具を製作していただいている「モメンタムファクトリー・Orii」を訪ねました。

何度も足を運んでいる工房ですが、FUMIKODAを応援していただいているFUMIBLUEの皆さまと一緒に訪れることができて、感慨もひとしおでした。
着色体験。銅板コースターづくり
FUMIBLUEの皆さまが楽しみにしてくれていたのは、「オリイブルー」の着色体験です。
薬品を使い分けながら銅板を熱していく工程を経て、参加者それぞれがオリジナルのコースターを製作しました。

青銅色、煮色、宣徳色、朱銅色、焼青銅色… 銅一枚から生み出せる色の種類は数十にも及ぶそうで、火の入れ方や時間のわずかな違いだけで、まったく異なる表情が生まれます。二つとして同じ色にならない、一期一会のようなものづくりに、皆で歓声を上げながら夢中になりました。


三代目・折井宏司さんによるレクチャー
体験のあとは、モメンタムファクトリー・Orii代表であり伝統工芸士の折井宏司さんから、高岡銅器についてお話をうかがいました。

高岡銅器は、1611年に加賀藩主・前田利長が金屋町に鋳物師を招いたことに始まる、約400年の歴史を持つ産地です。原型、鋳造、仕上げ、彫金、着色と、それぞれの工程を専門の職人が担う「分業制」がこの町の大きな特徴で、最盛期には400軒を超える業者が軒を連ね、全国の銅器生産額の9割以上を占めていたといいます。

けれど、分業制は裏を返せば脆さでもあります。折井さんは「どこか一つの工程がなくなれば、産地全体が立ち行かなくなる」と静かに語ってくださいました。
需要の落ち込みと後継者不足によって事業承継が難しくなり、技術そのものが絶えかけている工程も少なくないそうです。

そうした厳しい状況のなかで、折井さんはイノベーションを起こした一人です。
従来は難しいとされていた薄い金属板への着色技術を独自に確立し、アンモニアガスによる発色から生まれた鮮やかな「オリイブルー」をはじめ、これまでにない色の表現を数多く生み出してきました。
建材やインテリア、日用雑貨のプロデュース、自社プライベートブランドの展開、さらにはファッションブランドをはじめとする異業種とのコラボレーションにも積極的に取り組んでいらっしゃいます。FUMIKODAとのご縁も、まさにそうした挑戦の延長線上にあるのだと、あらためて実感しました。

その姿勢に惹かれてか、いまモメンタムファクトリー・Oriiには日本中から若い世代が門戸を叩き、入社しているのだそうです。
伝統技術を守りながら新しい価値をつくり出すことは、決して並大抵のことではありません。それでも前を向いて挑み続ける折井さんの姿に、私自身、ものづくりに携わる者として深く背筋が伸びる思いがしました。

高岡散策。金屋町から高岡大仏へ
工房見学のあと、高岡鋳物発祥の地である金屋町(かなやまち)を散策しました。
約500メートルにわたって続く石畳の道と、地元で「さまのこ」と呼ばれる千本格子の家並みが美しく調和する、国の重要伝統的建造物群保存地区です。石畳のあちこちに埋め込まれたハートや星形の銅片を探しながら歩くのも、この町ならではの楽しみでした。

町の一角にある高岡市鋳物資料館では、400年にわたる鋳物産業の歴史資料や、当時の鋳造道具を見学。そして、奈良の大仏、鎌倉の大仏と並び「日本三大仏」を称する高岡大仏にもお参りしました。


1933年に完成した現在の大仏は青銅製で、まさに高岡銅器の職人技の集大成ともいえる存在です。

夜は、FUMIBLUEの皆さまと高岡の地元居酒屋へ。富山の名物・のどぐろや地酒を味わいながら、その日感じたことを語り合いました。
実際にものづくりの現場に立ち会うことで見えてくる、伝統工芸が置かれている現実の厳しさ。そして、私たちにできることは何だろうか。プロダクトを企画、デザインする立場として、どんな形で恩返しができるだろうか。
答えはすぐには出ませんが、こうして皆で考え、語り合う時間そのものが、次の一歩につながっていくのだと感じています。

次回は、高岡での旅の続き、鋳物メーカー「能作」を訪ねた模様をお届けします。次号【高岡・能作編】もどうぞお楽しみに。
















































