海洋プラスチック問題と向き合うために、なぜ廃漁網リサイクル素材に注目したのか?
FUMIKODAは、できるだけ地球環境に負荷をかけないものづくりを目指しています。
植物由来の原材料を使用した人工皮革をバッグ素材に採用するなど、これまでも様々な挑戦をしてきましたが、今年は新たに廃漁網を原料にした再生ナイロン素材を使用したバッグ「MEGAN(ミーガン)」を発表しました。今回の記事では、なぜ廃漁網に注目したのかご紹介します。
※参考記事
「可能な限り素材のバイオ化を追求したい。循環型素材にこだわるバッグブランドFUMIKODAの挑戦」
世界中で海洋プラスチック問題が年々深刻化しています。
環境省の調査によると、漁業関係のごみは海ごみの約60%、そのなかでも魚を捕獲する網が廃棄された「廃漁網」は約40%と最も大きな割合を占めています。※環境省:「海洋ごみをめぐる最近の動向」より
例えば、鮭・マス漁に使用された網は約1〜2年で廃棄になるなど、日本では、廃漁網が多く発生しており、その適切な廃棄や、再利用は大きな課題となっています。
画像出典:https://www.alliancefortheblue.org/pfb/
海に囲まれた日本に住む私たちにとって身近な問題ですが、日々生活をしながら具体的な解決アクションとして出来ることは限られているのが現状です。
そこで、FUMIKODAは海洋環境問題の認知を高め、循環型社会の実現のために再生素材の普及に貢献したいという想いのもと、日常使いしやすいファスナー付ハンドバッグ「MEGAN」を企画・製作しました。
今回、FUMIKODAは、一般社団法人ALLAINCE FOR THE BLUEのメンバーとなり、協働企業が製造する廃漁網をリサイクルした高品質ナイロン生地を調達する事ができました。
この生地は、北海道で回収された廃漁網を愛知県の工場で、高度な生成技術により製造された再生プラスチック「リアミド」が原料になっています。
漁業者、産廃回収企業、再生プラスチック製造企業、紡糸・織布企業など高い技術と想いを持つ各社が協働することで、高品質な素材へのリサイクルが実現しています。
画像出典:https://www.alliancefortheblue.org/pfb/
更に、一般社団法人ALLAINCE FOR THE BLUEは、海ゴミ問題の解決を目指すだけではなく、魚が育つ豊かな海洋環境を保全することを目的に「藻場再生プロジェクト」も実施。「豊かな海を次世代に継承する」ために海の生態系保全にも取り組んでいるのが特徴です。
画像出典:https://www.alliancefortheblue.org/pfb/
日本各地で起きている「磯焼け」と呼ばれる現象によって、岩礁域の藻場が消失しており、それによって浅海域の生態系が支えられていることが問題視されています。
この問題を解決するために、「藻場再生プロジェクト」が実施されています。このプロジェクトは奄美大島瀬戸内町で行われており、海中の生物に隠れ場所や産卵場所を提供し、水の浄化や海中に酸素を供給する「藻場」の再生に取り組むことで、近海の豊かな海洋生態系の復活を目指しています。
「MEGAN」の売上の一部は一般社団法人ALLAINCE FOR THE BLUEへ寄付し、「藻場再生プロジェクト」に役立てていただきます。
FUMIKODAは環境に配慮した新素材をバッグという身近な製品にする事で、より多くの方に「サステイナブルな選択」ができる機会を提供したいと考えています。
・一般社団法人ALLIANCE FOR THE BLUEについて
世界的に深刻化している海洋プラスチックごみ問題に対して、企業間で連携した対策モデルを創出することを狙いとした業界横断のプラットフォーム。公益財団法人日本財団の支援により2020年1月に設立。石油化学や日用品・飲食品・包装材メーカー、小売り、リサイクル企業など、現在計36社が参画。 プラスチックバリューチェーンの上流から下流を網羅した企業が連携することで、企画から、開発・製造・流通・使用・回収・再利用といった一連の各過程で、一貫した対策を図ることを狙いとしています。