「軽いけれど、妥協しない。」クリエイティブディレクター幸田フミが語る、ビジネスバッグ「JEANNE」誕生の舞台裏

仕事服のカジュアル化が進む一方で、「ビジネスの場では常にプロフェッショナルでいたい」と願う働く女性たち。そんな声に応えるべく誕生したのが、FUMIKODAの新作ビジネスバッグ「JEANNE(ジャンヌ)」です。

約550gという驚きの軽さと、1泊出張までカバーする大容量。そして海洋環境問題への貢献までを叶えたこのバッグには、どんな想いや試行錯誤が詰まっているのでしょうか。
開発の裏側やオリジナル柄に込めたこだわりについて、クリエイティブディレクターの幸田フミに詳しく聞きました。

1.「軽さ」と「きちん感」。働く女性が抱えるジレンマから始まった

——まず、「JEANNE」を開発することになったきっかけを教えてください。

幸田: FUMIKODAを立ち上げて今年で10年になります。創業時に作った「ARIANNA(アリアナ)」は、働く女性のための“きちんとしたビジネスバッグ”として今も多くの方に愛されている定番です。 ただ、この10年で女性の通勤スタイルは大きく変化しました。リュックやナイロンバッグを持つ方が増え、全体的にカジュアル化が進んでいますよね。

——私服通勤やリモートワークの普及で、より「軽さ」や「ラクさ」が求められるようになりましたね。

幸田: はい。でも、お客様のお声を伺う中で見えてきたのは、「軽さは欲しいけれど、カジュアルすぎるバッグは仕事の場で持ちにくい」「どんな場でも自信を持てる上品さが欲しい」という切実な悩みでした。軽さを取るとラフになりすぎ、上品さを取ると重くなる……。このジレンマを解消し、「軽いけれどカジュアルすぎない、頼れる相棒」を作りたいと考えたのが始まりです。

2.手書きデザインから生まれた「トリゴンモノグラム」と「PCが入る軽いきちんとバッグ」

——開発にあたって、どのような課題意識があったのでしょうか?

幸田: 通勤着のカジュアル化に伴って、ナイロンバッグを選ばれる働く女性が本当に増えましたよね。軽くて扱いやすく、日々忙しく動く女性たちにとって間違いなく頼りになる存在です。

——軽くて扱いやすいのは、ナイロン素材の大きな魅力ですね。

幸田: はい。ただ、多くのお客様の声を聞く中で見えてきたのは、「ノートPCを入れるには少し強度やクッション性が心もとない」「ビジネスの重要な局面やジャケットスタイルには、もう少しフォーマル感がほしい」といったお悩みでした。

軽さというナイロンの良さはそのままに、ビジネスの場で自信を持って持てる気品と、PCや書類を安心して運べる機能性を兼ね備える。そうして目指したのが、働く女性のリアルな現場に寄り添う「PCが入る、いちばん軽いきちんとバッグ」というポジションです。

そこで私たちが目指したのは、その軽さや扱いやすさを受け継ぎつつ、日本の働く女性のリアルな現場に寄り添う「PCが入る、いちばん軽いきちんとバッグ」というポジションです。15インチのノートPCやA4書類がスッキリ収まり、斜めがけもできる2way仕様に仕立てました。

——ナイロンの軽やかさに組み合わされた「トリゴンモノグラム」の柄も、とても存在感があります。

幸田: ナイロンだけだとどうしてもラフに見えてしまうので、仕事服に華やかさと動きをプラスしたくてデザインしたのが「トリゴンモノグラム」です。実はこれ、私が手書きでデザインした柄なんです。

——幸田さんの手書きだったのですね!どのようなデザインなのでしょうか?

幸田: FUMIKODAのイニシャルである「F」を立体的に組み合わせたオリジナル柄で、三角形が重なり合う幾何学的な立体感が特徴です。これを自社開発した高質感・高耐久な人工皮革「FUMITEX®」などの素材にプリントして組み合わせています。

黒・グレー・ブラウン・ネイビーなど、どんな服装にもなじむ配色に仕上げているので、全身ブラックのコーディネートでもバッグが品よく引き立ちます。仕事用でも退屈にならない、エレガントなアクセントを目指しました。

3.裏話:「ネームタグ」を最後に追加して生産チームが大変に…!

——ネーミングの由来や、開発中の試行錯誤について教えてください。

幸田: 名前は現代のジャンヌ・ダルクに由来しています。日々しなやかに、力強く社会で闘う女性たちに寄り添うバッグでありたいという想いを込めました。

実は、試作段階でひと波乱あったんです。最初の完成試作にはフロントの「ネームタグ」がなかったのですが、仕上がりを見た時に「やっぱりここにFUMIKODAのタグがひとつあるほうが、全体がグッとエレガントに引き締まる」と直感して。

——完成直前でのデザイン変更だったのですね!

幸田: 急遽タグを追加してもらうことになり、生産チームには本当に苦労をかけました(笑)。でも、その甲斐あって、遠目から見ても「あ、JEANNEだ」と分かるエレガントな記号としての佇まいが完成したと思っています。

4.約550gの中に詰め込んだ「使いやすさ」の秘密

——持ちやすさや機能性について、特におすすめしたいポイントを教えてください。

幸田: まずは「約550g」という軽さです。毎日持っても疲れにくいよう、あえて内装を凝りすぎずシンプルにし、軽さを最優先しました。

また、高さは26.5cmに設定しています。13〜14インチのノートPCを入れてもしっかりファスナーが閉まる高さでありながら、小柄な女性が持っても大きすぎて見えない絶妙なバランスです。マチも最大14cmとたっぷり取っていますが、肩にかけたときに膨らみすぎず、見た目はすっきり見えます。

あえて中に固定の仕切りを作っていないので、手土産のお菓子箱や履き替え用のパンプス、1泊出張の着替えもスッポリ入ります。雨にも強いナイロン素材で、取り外し可能なショルダーストラップも付いているので、天気を気にせず両手を空けて行動できますよ。

5.持っていることが「自分自身の誇り」になるバッグへ

——JEANNEは、サステナビリティの観点でも非常に先進的ですね。

幸田: FUMIKODAでは、廃棄された漁網を再生したナイロン素材の活用に取り組んでおり、JEANNEはその6作目となります。モリトアパレル様、Alliance for the Blue(AFB)様とのパートナーシップによって実現しました。

売上の一部はAFBを通じて海の藻場再生プロジェクトに寄付されます。日本国内の職人が丁寧に仕立てたMade in Japanのものづくりを守りながら、バッグを持つことでお客様ご自身が海洋環境問題の解決にも参加できる仕組みです。「自分も社会の役に立っている」という誇りを感じていただけたら嬉しいですね。

6.一期一会で終わらせない。「働く女性の新しい定番」を目指すJEANNEの未来

——今後、JEANNEをどのような存在に育てていきたいですか?

幸田: JEANNEは10周年の記念アイテムで終わらせるつもりはありません。何十年も世代を超えて選ばれ続ける名品ナイロンバッグのように、FUMIKODAにおける「長く愛される定番シリーズ」として育てていきたいと思っています。

シルエットや使いやすさという軸は変えず、毎シーズン新色や限定のモノグラム配色を追加していく。そうすることで「今期はどんなJEANNEが出たんだろう?」とワクワクしていただける存在にしたいですね。

また、今回は仕事の相棒としてのクオリティを最優先に仕立てましたが、今後は「働く女性なら誰もが手に取りやすい選択肢」として、ミニサイズやポーチ型などラインナップの幅も広げていけたらと考えています。

——街中で「現代のジャンヌたち」がJEANNEを持っている姿が見られるようになるのが楽しみですね。

幸田: はい。単にバッグを届けるだけでなく、実際にJEANNEを持って活躍する女性たちのリアルな姿も発信しながら、「働く女性の新しい定番」として皆様と一緒に育んでいけたら嬉しいです。

JEANNEはこちら