幸田フミが女子学生と語る「アントレプレナーへの道」。:FUMITALK

こんにちは、幸田フミです。

先日お茶の水女子大学で、講師をさせていただく機会がありました。
登壇したのは、起業家を目指す学生たちの白熱したクラス。「アントレプレナーへの道」というテーマでFUMIKODAの創業について話したあと、学生たちが考えたビジネスモデルについて財務諸表を見ながらアドバイスをしました。

真剣な面持ちで議論を交わす女学生たちは、質問にも熱がこもっていました。



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Q. FUMIKODAの構想から事業の立ち上げまで、どれぐらいかかりましたか?

バッグを作りたいと思ってから2年、試作品第1号をつくってから1年でFUMIKODAを起業しました。

つくりたいのは「Made in Japanのハイクオリティなバッグブランド」と、はじめからコンセプトははっきりしていたので、会社を立ち上げる前にまずは、生産に協力してもらえる
素材メーカーや加工業者、腕の良い縫製職人さんを探しました。アパレル業界についての知見が乏しかったため、インターネットで検索して問い合わせたり、友人に尋ねたり。そして、なんとか試作品が出来上がったものの、あまりにも私が世間知らずだったため、「これっきりにしてほしい」と門を閉ざされたこともあります。

ブランド設立まで紆余曲折ありましたが、構想から事業の立ち上げ、そして今に至るまで、コンセプトも思いも少しも変わっていません。



Q. FUMIKODAの事業に協力してくれる人たちを、どうやって巻き込んだのですか?

ひとりで事業はできない。と、いま身にしみて感じています。
ブランドの方向性を示したり、デザインやビジュアルに関わるエリアは私が担当していますが、商品企画から販売まで一気通貫したSPA(※)ビジネスなので、生産、販売、PRなどそれぞれを得意とするスタッフが担当してくれているおかげでFUMIKODAが成り立っています。

特に製品を作り、販売し続けるために重要な「お金」まわりについては、CFOで取締役の「番頭さん」こと、笠原さんがしっかり守ってくれています。
FUMIKODAを創業する前に、IT業界の先輩であるループス・コミュニケーションズの斉藤徹さんにブランドの設立を相談したところ、「フミ先生はデザインは得意だけど、ファイナンスは得意じゃないでしょ。僕の親友を紹介するよ。」と、銀行出身でSPAビジネスを拡大させた経験のある笠原さんを紹介してもらいました。

当時はまだ製品も資金もなく、「Made in Japanのハイクオリティな女性向けビジネスバッグを世界デビューさせたい!」という、私の熱い想いだけしかなかったのですが、番頭さんがいてくれたおかげで、投資家や銀行に納得してもらえる事業計画を練り上げ、FUMIKODAを立ち上げることができました。

それから2年。FUMIKODAは今でも成長段階で、まだまだ順風満帆とはいえません。潤沢にあるのは相変わらず私のパッションだけですが、熱いパッションさえあれば共感してくれた仲間が集まり、チームが成り立つ。そう実感しています。

※SPA=製造小売業。企画から製造、小売までを一貫して行うビジネスモデル。(例:ユニクロ、GAP)



Q. 退学して海外留学したり、まわりに反対されても新しい事業を始めたりする原動力はなんですか?

何度かの人生の岐路で、子供の頃からなんとなく感じていた「デザインをしたい」という想いが、新しい道を歩もうとした時に後押ししてくれました。他にこれと言って特技のない私ですが、「私はデザインを通じて誰かを幸せにすることができる。」という妄想は強く信じています。

人生はたった1度きりです。人のものさし(価値観)に合わせて生きても幸せになれないので、たとえ誰かにあきれられたとしても、自分自身の心の声を聴くようにしています。



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私が学生時代には「起業」なんて考えつきもしませんでした。
だけどいまの大学生にとっては、社長という職業は現実的な選択肢のひとつなんですね。

講義のあと、何人かの学生たちが「将来FUMIKODAのバッグを持ちたいです!」と言いに来てくれました。彼女たちが卒業して社会人になり、もしかすると近い将来女性社長になった時、お仕事バッグに「FUMIKODA」を選んでくれますように。
これからもしっかりとものづくりをしていきたいと思います。


FUMIKODA クリエイティブディレクター
幸田フミ