俳句とFUMIKODAの意外な関係。:FUMITALK

こんにちは、幸田フミです。

趣味で俳句をはじめてから10年以上が経ちました。
品川の某ホテルで月に一度、高浜虚子のひ孫にあたる星野高士師匠を囲んで句会を開催しており、昨年は句会のメンバーと初めての句集「未会」を合同出版しました。
やむなく参加できない月もあるのですが、こんなに長続きしている趣味は他になく、句会は私にとって特別な時間を過ごせる場所になっています。
そして俳句は少なからず、FUMIKODAのものづくりにも影響を与えています。

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Q. 句会ってなんですか?

俳句好きが集まって句を詠み、楽しみながら競いあう会です。あらかじめ「兼題(けんだい)」と呼ばれる季語が決められており、参加者はその共通の兼題を使った俳句を詠んで提出し、その日詠まれたすべての句の中から良いと感じたものを互いに選んで発表します。

先日出席した6月の句会では、「紫陽花(あじさい)」「辣韮(らっきょう)」「鮎(あゆ)」の3つの季語が兼題でした。そのいずれかを取り入れながら「5・7・5」の短い語句の中で季節を感じる情景を表現するのですが、聞き手の頭の中でその世界を再現させ「良い」と感じてもらうのは至難の業です。

凡人の私は、いつまでたっても良い句が勝手に頭に浮かんでくるようなことはありません。句会の日が近づくにつれ焦りを感じ、毎回産みの苦しみを味わっています。
しかし、渾身を込めた一句を携えて句会に挑んでいるからこそ、他の詠み手の視点の斬新さや感受性の豊かさ、表現の巧みさに衝撃を受け、自分の感性も磨かれていくような気がしています。

私にとって句会は、ふだん使わない脳の一部をフル稼働させて創造した作品をアウトプットすると同時に、他人の研ぎ澄まされた感性をインプットできる、とても刺激的な場所になっています。

Q. 俳句を仕事に活かせることはありますか?

俳句はふだんの仕事にとても役立っています。
まず、17文字という限られた語数でひとつの世界を表現するため、一切の無駄を省き、伝えたいことがより相手に伝わるように言葉選びをしなければなりません。その作業は、文章の編集力と訴求力を高めるための訓練になっていて、ビジネスメールや企画書をより簡潔に、わかりやすく工夫する際に役に立っていると思います。

また、先人によってすでに詠みつくされ、誰もが聞き飽きているような「当たり前のこと」は詠まないように心がけています。たとえば「春になって、桜が咲いてきれいだな。気分も浮かれて楽しいな。」なんて凡庸な内容の句は、創造力が乏しく、なんの面白みもありません。
視点なり表現なりにオリジナリティを追求する習慣は、新しい価値観を生み出し、それまでになかったモノをプロデュースすることに活かせているような気がしています。



Q. 俳句とFUMIKODAに関連性はありますか?

つい最近、FUMIKODAをご愛用いただいている女性3名が初めて句会に参加されました。そして、俳句とFUMIKODAの相性が意外と良いことに気づきました。

「FUMIKODA」のバッグは、知的好奇心や探究心が強く、経験値の高い女性に好んで持っていただける傾向にあります。
知識や経験、感性をフルに活用して創作する「俳句」は、そんなキャリア女性たちがこれまで培われた知性をフルに活かしていただけるようで、句会初参加の全員が初回とは思えないような素晴らしい句を詠まれていました。

是非一度、FUMIKODA SALONでも句会を開催したいと思っています。

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6月の句会で詠んだ句の中から、師匠が2句「特選」に選んでくださいました。

辣韮を漬けて面倒増やしをり

紫陽花のこぼるる溝や俗世断つ

なんとなく過ぎゆく梅雨の季節も、スーパーでらっきょうの袋に目がいったり、道端で出会うあじさいの色が気になったり、句会のおかげで日本の四季を十分に味わいながら過ごすことができています。

そして、梅雨の季節を楽しむには、雨を気にせず持ち歩くことができるFUMIKODAのバッグもお忘れなく。

FUMIKODA クリエイティブディレクター
幸田フミ