愛着のあるバッグに第二の人生を「リユースプロジェクト」実施レポート&体験レビュー
FUMIKODAでは、出番の少なくなったバッグをお客様から譲り受け、お手入れを施した上で新たな持ち主の元に届ける、「リユースプロジェクト」を2020年から実施しています。
受け取るのは、FUMIKODA初心者の学生。そこには、FUMIKODAクリエイティブディレクター幸田フミの、単なるリユース活動にはとどまらない多くの想いが込められています。
今回、本プロジェクトを通じて幸田本人が愛用したホワイトのトートバッグ「GINA」を譲り受けたのは、大学4年生の福島さん。プロジェクトへの参加の経緯や、実際に手にした「GINA」の使用感などについてお話しいただきました。
社会はすぐには変えられないけれど、
できることから取り組んでみる
重たい荷物を入れても突然の大雨にさらされてもへこたれないタフさは、FUMIKODAのバッグの最大の魅力の一つ。それゆえ、FUMIKODAご愛用者の方々には共通のお悩みがあります。先代や古参のFUMIKODAの行方です。
「最近出番が少なくなったけれど、ちっともくたびれていない」
「まだまだ現役で使えるのに処分するのはもったいない」
そうしたお客様の声に発想を得て生まれたのが、リユースプロジェクトです。
将来医師として働くことを目指し、医学部で臨床医学を学んでいる福島さん。パソコンや実習テキストなど持ち歩く荷物が多いため、バッグに求める条件はなんといっても「丈夫なこと」だといいます。
「予備校生だった時に、荷物が重いせいでバッグを2つも壊してしまった経験があって。丈夫で軽いバッグが欲しいと、常々思っていました」
そんな折、新聞に掲載されたリユースプロジェクトの記事を目にしたお母様から話を聞いて、応募してくださいました。
「FUMIKODAのことはそれまで知りませんでしたが、ホームページを拝見して、自分もこんな素敵なバッグを持ってみたいと思いました。エシカルという言葉も、そのときに初めて知りました」
FUMIKODAは創業以来エシカルブランドとして、ものづくりの現場からお客様の手に渡った品物がその役目を終えるまで、ライフサイクルのすべての瞬間に責任を持ちたいという想いから、できるだけ環境や人に負荷がかからないものづくりを実践してきました。
リユースプロジェクトもその一環です。FUMIKODAの取り組みは地球や社会全体から見ればごく微々たる成果でしかありませんが、常に意識すること、できることから始めていくことに大きな意味があると考えています。
この価値観は、福島さんにも大いに通じるところがあるそうです。
「医学生なので動物実験に携わる機会があります。良くないことではありますが、動物実験をゼロにするのは難しいのが現状です。でも、例えば模擬臓器などの活用で動物実験を減らすことはできないのか、動物に苦痛を与えないようにするにはどうしたらいいかというように、常に自分なりに考えながら取り組むことを心がけています」
FUMIKODAのバッグが似合う
大人の女性になりたい
SDGsやアニマルフリーに関しては「日常的に意識することはあまりない」そうですが、そうした価値観がごく当たり前に身についていることは、お話を伺っているだけで十分に感じ取れます。
母子家庭で育ち、カトリックの学校で10代を過ごし、ボランティアなどにも積極的に参加してきた福島さん。実は今、ヘアドネーションのために髪を伸ばしている最中だといいます。
「昨年の夏にも、伸ばしていた髪を30cmほどカットして、医療用ウィッグを扱う団体に送ったんです。もう一度寄付できたらと思っています」
バッグに関しては機能重視タイプの福島さんですが、譲り受けた「GINA」を手にするとそれだけで、ぐんと洗練された印象に。
「持ち物の量に合わせてサイズを調整できるし、どんな服装にもマッチするデザインなので、日によってバッグを変えることが減りました。このご時世、衛生面に気を使いますが、FUMIKODAのエシカルレザーはアルコール消毒も問題のない素材なので、安心して使えます。そして何より、ラグジュアリー感があるので気分が上がります。いただいたバッグに恥じないようにしようと思いますし、社会人になったらこういう素敵なバッグを自分で買い求めたいという、目標にもなりました」
消費することに旺盛だった世代とは異なり、近年の若者の「モノを大切にする意識」の高さは顕著です。福島さんもその一人であり、だからこそ、使われなくなったバッグに再び活躍の場を与える本プロジェクトの趣旨が、彼女の琴線に触れたようです。
「周りの友人を見ても、気に入っているバッグをボロボロになるまで使うような人が多いです。私も服やバッグを母から譲り受けることがよくあります」
「おさがり」ならではの特別な価値、
特別な意味
現代社会において気になることとしてもう一つ、食べ物の問題を挙げてくださいました。食料廃棄の問題、そして子供の貧困と格差の問題です。
「日本をはじめ先進国は、膨大な食品ロスを出し続けています。一方で、満足に食事をできない子どもたちがいます。コロナ禍によって、格差は深刻になっていると思います。アルバイトや派遣社員などが不安定な立場の人が苦しい状況に置かれ、そのしわ寄せは子供に向かいます。悲しいことですが、貧困が暴力の原因になること、そしてやりたくてやっている人たちばかりではないことを知りました。逃げ場のない狭い家の中で起こってしまう悲劇をこれ以上起こさないためにはどうしたらいいか、考えずにはいられません」
学生の貧困問題は、リユースプロジェクト立ち上げの動機の一つでもあります。贈呈の対象が学生に絞られているのはそのためです。使えるお金が限られる学生にも、ハイクラスなバッグを持つことで前向きになれたり、自分に自信がついたりする気分を、ぜひ体感してもらいたい。その効果は、多くの愛用者から「FUMIKODAのバッグには戦闘モードスイッチがついている」ともてはやされるほどのお墨付きです。
さらに、各界で輝かしく活動する先輩女性たちから受け継がれるバッグには、これから社会に羽ばたこうとする学生への応援や期待が込められています。ある意味、新品以上にプレミアムな重みを含む一品といっていいかもしれません。
「就職活動ってすごくお金がかかる場合があるそうです。かつては面接などのため一社一社すべてに足を運ぶ必要があり、交通費がかさんで大変だったと聞きました。今はオンラインである程度済ませられますが、それでも何かと物入りです」
肉体的にも精神的にも負荷のかかる就職活動において、FUMIKODAのバッグが持つ人を輝かせ奮い立たせる一助になれば。そんな想いで、今後もリユースプロジェクト、通称「おさがりプロジェクト」は続いていきます。
インタビューをお引き受けいただいた福島さん、ありがとうございました。
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FUMIKODAでは「リユースプロジェクト」にご協力いただける方を募集しております。 未来を担う学生のために、お使いのFUMIKODAバッグをお譲りいただける方は、こちらのページよりご連絡ください。