人生100年時代を美しく健やかに生き抜くために、本当に必要な「腸活」とは:医学博士・劉勇氏 CLUB FUMIKODAイベントレポート

ここ数年、頻繁に耳にするキーワードのひとつに「腸活」があります。腸の大切さが、なぜこれだけ声高に叫ばれるのでしょうか。

鍼灸治療で各界から信頼を寄せる医学博士・劉勇先生をお招きして開催したのは「ドクター・リュウの腸活講座 〜キャリア女性が安心して100歳を迎えるための5つのポイント〜」講座。FUMIKODAのショールームには、いつまでも美しく健康でありたいと願う女性たちが集まり、劉先生のお話に耳を傾けました。

FUMIKODA SALON 劉勇先生 腸活セミナー

「生きているのがつらい」。自身の経験が、腸の研究に没頭する契機に

中国では外科麻酔医として活躍していた劉先生。日本に拠点を移してからは、西洋医学と東洋医学の知識と経験を生かして行う鍼灸治療が話題となり、「名医」として財界やスポーツ界からも厚い信頼が寄せられています。

そんな劉先生が腸に注目したのは、自身が35年以上ものあいだ過敏性腸症候群に悩まされた経験があったから。

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「恐ろしいほどの腹痛と下痢。人の治療はできても、自分のことは思うようにはならず『生きているのがつらい』と考えるほど追い込まれました」(劉先生)

そんななかで出会ったのがビフィズス菌です。良質なビフィズス菌を積極的に摂って腸内環境を劇的に変えたことで、劉先生の過敏性腸症候群は完治。そのことをきっかけに劉先生は腸の研究にのめりこみ、臨床を重ねて「健康は腸がつくる」ということを訴え続けています。

脳内物質「セロトニン(通称しあわせホルモン)」は、腸でつくられている

良好な腸内環境というと、イメージするのは「必要な栄養がきちんと吸収できて、スムーズなお通じを促す」という働き。しかし、「腸はさらに大切な役割を担っている」と劉先生は語ります。

「腸内フローラとは、人間の腸にすんでいるさまざまな細菌のことで、群れを成す様子をフローラ(お花畑)にたとえてそう呼ばれるようになりました。腸内では善玉菌と悪玉菌がバランスを保っていますが、生活習慣の乱れや加齢、ストレスなどでバランスが乱れてしまいます」(劉先生)

腸内フローラの乱れは、便秘や下痢だけでなく、なんと「肥満」の原因にもなるのだそうです。

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「他にも脳の機能や精神状態、免疫・アレルギーにも影響することがわかっています。自律神経失調症や更年期、認知症も、腸が大きく関わっているんですよ。よく腸は『第二の心臓』などといわれますが、私は腸こそがもっとも人の健康をつかさどる臓器だと考えています」(劉先生)

さらに驚くのが、ドーパミンやセロトニンといった脳内物質の8割が腸内で生成されているということ。セロトニンといえば通称「しあわせホルモン」といわれ、心の安定にも大きく作用することで知られています。

劉先生の話をうかがっていると、忙しく多少なりともストレスにさらされる働く女性にとって、仕事やプライベートを充実させ、健康で美しく生きる近道となるのが「腸活」なのだと考えさせられます。サロンの皆さんも、メモをとったりうなずいたりしながら劉先生のお話に聞き入っていました。

名医が教える「腸内環境を健やかに保つ5つの方法」

ポイント① 便を溜めない腸をつくる

良好なお通じのためには、朝一杯のお水を。空っぽになった胃腸に水分を送り込むことで、お通じが促されます。おなかの周りのツボを押したり、座ったままの姿勢で上半身を左右にひねるのも有効だそうです。

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ポイント② 腸が喜ぶ食生活を心がける

腸の健康のためには、若々しい血管を保つことが大切。血管の若返りをはかるために劉先生がおすすめするのは、くるみ、ピスタチオといったナッツ類やごま、大根や玉ねぎ、ごぼうなどの根菜、ブロッコリー、アスパラガス、トマトなどの食材です。

劉先生はくるみ、ピスタチオ、高麗人参、アーモンド、シナモン、しょうが、ごまなどを粉末にして、シェイクして飲んでいるとのこと。その甲斐あってか、御年61歳にして血管年齢は29歳だそうです。

ポイント③ ツボで腸とコミュニケーションをとる

鍼や指圧でツボを刺激すると症状が緩和されるのは、自然治癒力を刺激することで体内で起こっているエラー状態を修復するからだそうです。鍼灸治療の名医である劉先生に、むくみをとるツボや食べ過ぎを予防するツボ、便秘解消のツボを教わると、サロンのあちこちから「痛い、痛い」という声が。

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腸に効果的なツボは、劉先生の著書『腸福論 100年100歳時代を生き抜く みんなの痩せ方改革』(徳間書店)に詳しく紹介されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

ポイント④ 腸内で善玉菌が育つビフィズス菌を摂る

腸内にすむ善玉菌の代表格が「ビフィズス菌」ですが、乳児は腸内細菌の99%がビフィズス菌であるのに対し、中高年はたったの1%かそれ以下。生きたまま腸に届くビフィズス菌を食生活に取り入れることが大切です。

乳酸菌もたしかに乳酸をつくる善玉菌ですが、ビフィズス菌は乳酸と酢酸をヒトの体内で生成し、乳酸菌よりも強い殺菌作用を発揮して悪玉菌が増えるのを防ぐ効果があるといわれています。「ビフィズス菌と乳酸菌を同じものと考えている人がいますが、それが大きな間違いです。乳酸菌は小腸には届きますが、老廃物が溜まりやすい大腸にはビフィズス菌と覚えてください」と劉先生。

ポイント⑤ 自律神経バランスを保てる腸に

腸の働きが活発になり、五臓六腑へ必要な栄養素の供給を始めるのは睡眠中。夜こそ腸の出番なのだそうです。そのため、夜は早めに食事を済ませて、腸を休めてあげることが重要です。そのためにも規則正しい生活を心がけて、質の良い睡眠をとること。そうすることで、成長ホルモンの分泌が促されて自律神経バランスも整います。

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人生100年時代といわれるいま、長生きをしても健康でなければ毎日を楽しむこともできません。いつまでも美しく健康であるために、大切にすべきは腸であるということに気づかせてくださった劉先生に大きな拍手が寄せられました。

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中目黒のリストランテ「カシーナ・カナミッラ」のお料理を楽しんでいただきました

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劉勇先生の奥様、元NHKアナウンサーの墨屋那津子さん

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アイコニックワインの古川氏にシャンパーニュ「Duval-Leroy」をご紹介いただきました

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劉勇先生の近著「腸福論」と、ビフィズス菌サプリ「ベビーフローラ」

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FUMIKODAの2019AWコレクションとともに記念撮影

 劉 勇(リュウ・ユウ)

医学博士。1958年、中国東北生まれ。中国で外科麻酔医として活躍した後、活動の拠点を日本に移す。西洋医学・東洋医学、双方の理論と臨床技術を適用した鍼灸治療は評判となり、1985年に銀座で鍼灸院を開院。政財界・スポーツ界からの信頼も厚く、北野武氏の顔面神経麻痺を奇跡的に回復させたことでも知られている。鍼灸マッサージの一般普及を提唱し、1994年に「コリとれーる1号院」を開院。クイックマッサージ業態の先駆けをつくる。2009年には日常使いの鍼灸をコンセプトにした鍼灸院ハリアップを開院。鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師、コリトレールグループ治療院 総院長/Dr. Liu Method 劉臨床塾代表、沖縄統合医療学院 学術顧問、東北楽天ゴールデンイーグルス コンディショニンググループ顧問などを歴任。近著『腸福論 100年100歳時代を生き抜く みんなの痩せ方改革』(徳間書店)などの著書がある。