日本発の最高品質のビーズが使われたFUMIKODA Delica-Beads(デリカビーズ)シリーズ
2017年5月、日本のビーズ文化がネット上でちょっとした話題になりました。作家の加門七海さんがTwitterで、昭和に流行ったビーズバッグの製造技術が今となっては非常に貴重であることと、日本のビーズ製造の技術力の高さについてつぶやいたことがきっかけで、さまざまな模様が隙間なく施されたビーズバッグの写真や思い出をTwitterに投稿するたちが続出しました。
昭和に流行ったビーズバッグ。
— 加門七海 (@kamonnanami) 2017年5月28日
持っている人は捨てちゃダメだよ。いらないと思ったら誰かに譲って。ほつれてダメになってたら、手芸する人に材料としてあげて。
光り輝く日本のビーズはスワロスキーですら再現できない。なのに、作る人がもういない。
凝った口金もご同様。最早消えるのみだから。 pic.twitter.com/ysulKiZv9W
その話題に関連して日本のビーズバッグの文化的な価値について検証したのがBuzzFeed Japan。取材に対し、国立民族学博物館の池谷和信教授は、ビーズによる装飾が日本国内での長いブランクを経て再流行したことと、線ではなく面を描く装飾としてビーズが使われたという点で、確かに昭和のビーズバッグの文化的価値は高いとコメントしています。
10万年の歴史を持つビーズと日本文化
ビーズは長い歴史を持ち、最新の研究ではイスラエルとアルジェリアで発見された貝殻を素材にしたビーズが世界最古のビーズだと言われています。これは約10万年前の物と見られていますが、まだ当時はガラス製造の技術がなかったため、貝や石、動物の骨など自然素材で作られていました。紀元前4000年頃になると、エジプトなどでガラス製造の技術が開発されます。そこで作られたのが、とんぼ玉と呼ばれる現在も装飾品として作られている玉のようなビーズで、日本でも輸入品と思われるとんぼ玉が吉野ヶ里遺跡から出土しています。
しかし、北海道でアイヌ民族がユーラシア大陸北東部から輸入したビーズを使ったタマサイと呼ばれる装身具を身につけていたことを除けば、ビーズを使用した装飾文化は古墳時代以降の日本列島で鳴りを潜めてしまいます。江戸時代になると、トンボ玉がオランダから輸入されたのをきっかけに日本でも製造され、簪などさまざまな小物に使われるようになりました。比較的粒の大きいとんぼ玉に対し、種のように小さな粒のビーズをシードビーズと呼びます。産業革命以降、ヨーロッパで大量生産が始まったシードビーズが日本に輸入されるようになったのは明治時代以降で、婦人雑誌に掲載されたのをきっかけに大正時代以降に一般家庭にも普及するようになりました。
世界中のクリエイターからの信頼を集めるDelica-Beads
FUMIKODA 2017 AUTUMN & WINTER COLLECTIONで使用されているシードビーズは、広島県福山市にあるビーズメーカー「MIYUKI」の「Delica-Beads(デリカビーズ)」です。
ビーズワークの美しさを支えるのは、ひと粒ごとの品質の高さです。ガラスは非常に繊細なため、ちょっとした原料の調合や窯の温度の変化があれば、まったく違うビーズができ上がってしまいます。MIYUKIのビーズは、ひと粒ひと粒が寸分の狂いもなく均一にそろっているため、女性用のお仕事バッグARIANNAや、クラッチバッグTALAのフラップのバーに隙間なく施すことができるのです。また、Delica-Beadsはシードビーズの中でも穴が大きくとりわけビーズ織りに適した構造になっています。
ARIANNA GLASS-BEADS: ショルダーバッグ (BKG_BKSD)
創業60年の老舗MIYUKIのビーズは高い品質に加え、同じ色のビーズでも繊細な色合いの違いや質感、表面加工などのバリエーションが非常に豊かです。そのためジョルジオ・アルマーニなど世界中のラグジュアリーブランドや工芸家からも絶大な信頼を得ています。また、子どもでも簡単に使えるビーズ織りキットなども販売したりビーズワークギャラリー(広島県福山市内)を開設するなど、ビーズワークの普及にも努めています。
10万年の歴史を持つビーズは人の手から手へと渡って世界中に広がり、時代に合わせて形を変えながら、こうして今も受け継がれているのです。
FUMIKODA Delica-Beadsシリーズ
Source: 株式会社MIYUKI, New Scientist, 札幌市
Writer: MIREI TAKAHASHI