誰もが活躍できる社会のために 〜障がい者支援施設でのものづくり

知的障がいをもって産まれてくる子どもたちの割合は、全体の2~3%と言われています。誰もが活躍できる社会を実現するために、障がい者の雇用を増やす仕組みづくりが求められています。

FUMIKODAはその試みのひとつとして、 障がい者支援施設でアップサイクル生地を使ったものづくりを実施しています。

こちらは障がい者支援施設「みんなの希望」から納品された作品。第1弾は施設内でトレーニングを兼ねて初めて製作してもらったシンプルなつくりの「コードバンド」で、充電コードなどを巻いてしっかり収納できる便利アイテムです。

外出自粛や感染拡大の懸念があったため、FUMIKODAが現場でレクチャーすることが難しい状況だったのですが、障がい者の方たちは工具の扱いにすっかり慣れたようで、どれもほぼ完全な状態で納品されました。

自立へのハードルになっている賃金問題

全国にある就労継続支援施設(B型)は9,176事業所で、20万人近くの障がい者が就労を目指したトレーニングを受けています(※1)。

B型の施設では、一般企業への就職が困難で、さらに雇用契約を結び安定して働くことができない障がい者を受け入れ、自立した日常生活を営むことができるようにサポートするだけでなく、社会で活躍するためのスキルや知識を身に着けた方たちの一般就労へ向けた移行支援を行っています。

しかし、その方々の平均月収はわずか16,118円(※2)。このままだと自立した生活が成り立ちません。現状を改善するためには、知的障がいを抱える方が興味をもって取り組める仕事を増やすこと、そしてトレーニングによってスキルアップし、一般と変わらない賃金を得られるようになることが必要です。

※1 厚生労働省「就労系障害福祉サービスの現状」(2020/5/14)より
※2 厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」平成30年度 平均賃金・工賃より

障がい者の就労支援は、SDGsが掲げる目標の中でも以下の項目への取り組みとなります。

1 貧困をなくそう
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
8 働きがいも経済成長も
10 人や国の不平等をなくそう
17 パートナーシップで目標を達成しよう

障がい者所得倍増計画

ご自身のご子息が重度知的障がい者だったことをきかっけにNPO AlonAlonを創設され、知的障がい者による胡蝶蘭の栽培やフラワーベースの制作指導を実施している代表の那部智史さんは「障がい者所得倍増計画」を掲げ、彼らの月収を10万円まで引き上げることを目標にしています。

那部さんとのご縁で、千葉県君津にある障がい者活動支援施設「AlonAlon」を訪問させていただいた時の様子です。

熱心にお仕事に打ち込んでいらっしゃる皆さんですが、体調や精神的が不安定な時も少なくありません。そんな障がいがある方でも働きやすい環境を整備し、しっかりした仕組みをつくり、着実に事業を拡大されています。AlonAlonが運営するお花の販売サイトはこちらです。

FUMIKODAの小さな取り組み

FUMIKODAはこれまでバッグを生産していただいている工房にお支払いしていた金額と同じ賃金(1点あたりの製作工賃)で、障がい者の皆様にアップサイクルアイテムの製作を依頼しました。
これから少しずつ難易度の高いアイテムに挑戦していただく予定です。

FUMIKODAがこれらのアイテムを販売するだけでは、障がい者全体の賃金アップには遠く及びません。しかし、こういった試みがものづくり企業に広まり、障がい者の方たちが活躍できる場が増えてくれば、次第に所得の向上に繋がってくるのではないかと思っています。
誰もが活躍し、自立できる社会に少しでも近づけるために、FUMIKODAはこれからも障がい者雇用のために取り組んでまいります。

障がい者支援施設「みんなの希望」で製作していただいたアイテムはこちらからご覧ください。


「みんなの希望」で製作されたアイテム