ヴィーガンレザーへのこだわり。:FUMITALK

こんにちは、幸田フミです。

SDGsへの関心が高まる中、非動物性素材の「ヴィーガンレザー」を使った製品のニーズが高まっています。

どうしてFUMIKODAは、創業以来ヴィーガンレザーを使用しているのか。そしてそれは一般的な「合成皮革」とどう違うのか?

尋ねられることがよくあるので、お答えしたいと思います。

Q. なぜFUMIKODAのバッグにヴィーガンレザーを使っているのですか?

FUMIKODAを立ち上げる前、ノートパソコンと沢山の書類を詰めこんだ重いバッグを毎日持ち歩くことにストレスを感じていたのですが、いくら探しても理想のビジネスバッグにめぐりあえませんでした。

仕事用のバッグに求めていた条件は、軽くて丈夫で荷物をしっかり入れられて、肩に掛けられること。雨の日でも気にせずに持ち歩くことができて、そのまま会食にも持って行けることなどなど。
ビジネスシーンにふさわしい質感でありながら、軽くて耐久性に優れていて、常に自信をもって持ち歩けるバッグを求めていました。

「世の中に理想のビジネスバッグがないのであれば、自分で作ってみよう」と思い立ったのが、FUMIKODAを立ち上げる2年前のことです。それまでずっとデジタル業界にいた私は、バッグについての知識を何ひとつ持ち合わせていなかったので、一からものづくりを学び始めました。

モノに対する価値観が大きく変わったのが素材選びをしていた時のことでした。高級バッグには当たり前のように「本革」が使われています。その革にはどんな利点があって、どのように生産されているのかが気になって調べているうちに、ショッキングな出来事がありました。

ビロードのように柔らかな手触りの革、ハラコのことはご存知でしょうか? ラグジュアリーな質感なので、私にとっては魅力的な素材でした。
そのハラコをバッグのアクセントとして部分使いしてはどうだろう、とリサーチしていたところ、ハラコというのは「腹子」、つまり妊娠中の牡牛のお腹から取り出した胎児の革だということを知ったのです。それまでそんな事実を知らずにハラコ製品を使っていたことに、大きなショックを受けました。

また、動物の内臓を包んでいた皮を、製品として使用可能な「革」に加工するまでの過程で、大量の化学薬品や水が使用されています。下水施設が完備されていない途上国では、その汚水が生活用水である河川に流れ込み、癌や小児麻痺を発症する人々が増えている地域があることも知りました。

いくらかっこいいデザインだとしても、誰かの犠牲の上に成り立っている製品は自信や誇りを与えてくれません。理想のバッグを作るためには。機能性やデザイン性にこだわるだけでなく、素材や製造工程についてもきちんと知っておくことが大事なんだと気づきました。

そもそもこんなに技術革新が進んだ世の中で、革製の重いバッグにパソコンや書類を入れて持ち歩く必要はあるのだろうか…?と疑問を抱きつつリサーチを重ね、めぐりあったのが軽くて丈夫で手触りの良い日本製の「人工皮革」だったのです。

選択肢としては他にも、一般的な合皮や、海外で開発されたバイオ素材などもあります。しかし軽さや耐久性を重要視したこと、海外から素材を輸入したり、原料を加工するまでの運搬中に生じるカーボンフットプリント(炭素排出量)が気になったことから、国内で開発・製造されているヴィーガンレザーを採用するに至りました。

 

Q. FUMIKODAのヴィーガンレザーは、一般的な合皮とどう違うのでしょうか?

同じ「ヴィーガンレザー」でも、使われている原料や製法によって価格や質感、耐久性が異なります。

FUMIKODAはバッグを作る際、「軽くて耐久性に優れていて、常に自信をもって持ち歩ける」ことを重視しています。その条件を満たすために、FUMIKODAは国内で製造されている高耐久の「人工皮革」を採用しました。

一般的な「合成皮革」は、布地をベースにポリウレタン樹脂や塩化ビニールなどの合成樹脂を塗ることによって、表面層のみを動物皮革に似せた人工素材です。人工皮革と比較すると安価で大量生産しやすいのですが、加水分解(表面が破れたり剥がれたりすること)しやすく経年劣化が早いので、理想のバッグを作るための素材には向いていません。

一方、FUMIKODAが創業以来使用している「人工皮革」は、動物皮革の機能と構造を人工的に再現したもので、テスラやマセラッティなど高級車の内装にも使われています。
コラーゲン繊維構造によく似た三次元極細不織布に樹脂を絡ませたマイクロファイバーの表面に合成樹脂を塗布し、動物皮革に近い風合いに仕上げています。

合成皮革と比べると高価で量産も難しいのですが、軽量で水や汚れに強いだけでなく耐久性にも優れています。
頻繁に手にするお財布やスマホケースなどの小物アイテムは、使い続けると黒ずんだり、角が擦れてきたりしやすいかと思います。高耐久の人工皮革を使用したFUMIKODAの製品は本革や合成皮革よりも劣化しづらく、汚れても水拭きすることができるので、長くお使いいただくことができます。モノを大事に使うことで、エシカルなライフスタイルを叶えてくれる素材でもあります。

一般的な合皮と比べて質感がよく、機能性に長けていて、長く安心してお使いいただける。FUMIKODAが採用しているヴィーガンレザーはそんな素材です。